あるいは会社のネームバリューやポジション、評価ゆえのやりがいなのかもしれません。それらが無かったとしても、個人として感じるやりがいとは何なのか、環境がリセットされる転職の際には、それをしっかりと考えておくことが必要です。新しい環境では気心が知れた仲間はいません。一緒に愚痴を言い合えるようになるまでには時間がかかります。そのような中でゼロから働くのですから、そこに自分が移る意義を見いだせなければ、気持ちを維持し続けることも大変でしょう。もし、そうしたやりがいや意義を見つけられそうもないなら、無理に転職することは勧められません。

一方、定年を間近に迎えた相談者に多いのは「これからは人の役に立ちたい。報酬よりもやりがいが大事だ」と言う方たちです。このような方には何人も会いました。ほとんどが以下のような会話のパターンになります。

「では、どんな仕事に就きたいですか」

「NPOとか、社会に貢献する仕事に就きたいです」

「社会貢献は大事な視点ですよね。例えば、具体的に言うとどういう仕事ですか」

「だからNPOとか」

「NPOでもいろいろな種類がありますよね。そもそもあなたが今まで働いてきた会社の仕事は社会に貢献していなかったんですか」

「社会に役立つ=NPO」は短絡的

このあたりから相手の言葉が詰まり始めます。第二の人生は社会の役に立ちたいという理想自体は良いのですが、社会に貢献するという言葉に酔い、そこで思考がストップしまっているのです。「社会の役に立つ仕事=NPO」と短絡的に考えてしまっています。さらに、そこで得られる報酬がいくらぐらいなのか、それは第二の人生に十分なものなのかということも考えていないケースがほとんどです。

年収とやりがいのどちらを取るか

お金とやりがいはどちらも大事です。でも、まずはそれが自分にとってどういう意味を持つのか、どのようにバランスをさせるのか。そこをしっかりと考えることから始めましょう。

小沢松彦
 1962年名古屋市生まれ。85年早稲田大学卒業後、博報堂入社。営業部長や広報部長などを歴任し、2014年に早期退職。セカンドキャリア支援の一般社団法人、社会人材学舎の起業に参加し、後に自身で主に中小企業のバリュー開発・社員教育を手掛ける会社「sfidaM(スフィーダム)」、企業戦略の伴走支援ユニット「Halumni(ハルムナイ)」を設立。現在は経済同友会と兼業。

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