アバランチの「No.38 風味爽やか彩りマリネ仕立て」(195グラム、1296円)

最後は1缶千円超の高級サバ缶をご紹介。アバランチ(大阪市西区)の「No.38(ナンバー・サーティエイト) 風味爽やか彩りマリネ仕立て」は、サバをパプリカ、タマネギなどと一緒に甘酢に漬けたマリネ風のサバ缶だ。

マリネというと、酢に漬けたせいで食材から水分が抜け、パサつくことも多いが、この缶詰は脂が乗ったノルウェーサバを使うことでその問題を回避している。しっとりジューシーなサバは、かめばサバ本来のうま味に加え、食欲をそそる甘酢がじゅわっと染みだしてくる。

マリネ仕立てのサバ缶を使ったそうめん。甘酢の缶汁が爽やかだ

マリネ仕立てのサバ缶を使ったそうめんも、作り方はとてもシンプル。缶汁を器に入れ、ゆでて水気を切ったそうめんを浸して、味をよくなじませる。その上にサバの身と、缶に入っているパプリカ、タマネギをのせれば缶成であります。

甘酢が染みたそうめんは爽やかで、ほどよい酸味が後を引く。味が物足りなければめんつゆを足してもいいし、エクストラバージン・オリーブ油をかければ、オリーブ油の鮮烈な風味が加わって本格的な一品料理になる。

この缶詰を企画・販売しているのは缶詰メーカーではない。大阪の「アバランチ」という広告制作会社であります。

なぜそんな畑違いの会社がサバ缶を手掛けたのか? きっかけは設立20周年の年に、記念品でサバ缶を配ったことだった。社名がアバランチだから、サバランチというサバ缶があったら面白いんじゃないかという、ダジャレからの発想だった。

しかし、どうせ配るなら市販品ではなくオリジナル品にしようと決意。レシピを考え、製造を委託した缶詰メーカーとともに試行錯誤を繰り返した。そうしてできあがったサバ缶を配ったところ、予想を超える好評だったため、市販化に踏み切ったという。

味付けは他にも「3種の厳選胡椒(コショウ)仕立て」「スパイス香る芳醇(ほうじゅん)カレー仕立て」など、オリジナリティー豊かなものばかり。パッケージも美しいから、贈り物にも最適であります。

今回のそうめんレシピは、どれも缶詰の汁を味付けに使うのが特徴だ。基本的には缶詰1缶で2人分のそうめんが作れるが(そうめんは乾燥状態で1人分70グラム)、缶汁だけでは味が物足りない場合もあるので、普段お使いのめんつゆを足して、お好みの味に調整し、お楽しみいただきたい。

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。
メールマガジン登録
大人のレストランガイド