仕事を抱え込んでいる人に対して、上司や人事部は再三、注意を促しているはずです。けれどもかたくなに断り続けていると、会社はもう仕事そのものから離してしまうしかない、と判断します。そうして異動命令を出すことになるのです。

異動によって変更されるのは、職種と勤務地です。そしてこの両方を変えようとする異動命令は少数派になっていると感じます。

なぜなら、両方を変えてしまうような異動命令だと、仮に裁判になった際に負ける可能性が高まるからです。また会社都合での異動判断をするのも同じ人間です。そんなにひどい意思決定はなかなかできません。

だから、同じ職種で別の地域に転勤を命令するか、同じ場所で別の仕事への異動を命令するか、そのどちらが増えています。

異動が定年になってしまうのは評価が下がってゆくから

仕事が変わっても働く場所が一緒なら、環境は大きくは変わりません。また、働く場所が変わっても、大きな意味での仕事が変わらないのなら、慣れることも早いでしょう。けれども、一定年齢を超えた異動のあと、どうしても上司からの評価が下がってゆきます。

異動直後は特例として標準評価を受けるとしても、その後は次第に評価が下がってゆくことになります。なぜなら、新しい職場にはもちろんその仕事に習熟した、異動した人よりも経験のある人たちがいるからです。その中に、異動した人よりも若くて優秀な人がいれば、どうしても評価は下がらざるを得ないのです。

結果として、仕事を抱え込んでいた人は、異動後に、誰でもすぐに覚えられる簡単な仕事を繰り返しつつ、低い評価に甘んじてゆくことになってしまいます。

それは、会社で働き続けられるという意味では定年ではありません。けれども、やりがいのある社会人人生は終わったも同然です。あとは会社の外で生きがいを見いだすしかなくなるのかもしれません。

会社の中で転職を試してみる

ではどうすれば「仕事を抱え込む人」にならずに済むのでしょう。

多くの上司や人事部が苦労しても実現できないのですから、そのための解決策はなさそうです。しかしそれは、外部から働きかけても変わらない、ということです。人の行動を変えるために、外部から正論を言ったり、指示命令をしたり、お願いをしても変わることはありません。

本人が気づき、変わろうとしなければ、人は変わらないのです。

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