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三井物産・デジタル総合戦略部戦略企画室長の中島ゑりさん(写真右)と、同プロジェクトマネージャーの前田拓也さん(写真左)

三井物産・デジタル総合戦略部戦略企画室長の中島ゑりさん(写真右)と、同プロジェクトマネージャーの前田拓也さん(写真左)

人気企業・注目企業が新人教育で使ったり、新入社員に推薦したりしている書籍と、各社の人材育成戦略を取り上げるシリーズ「社会人1年目の課題図書」。第4回は三井物産です。

総合商社は、就活生の中でもとりわけ文系の学生に人気がある企業の筆頭株。その一角を占める三井物産が、昨年から推薦図書に挙げているのは『文系AI人材になる――統計・プログラム知識は不要』だ。対象は新入社員を含む全社員だという。

「DXビジネス人材」3年間で100人以上に

2019年の刊行直後から話題になった本で、著者はZOZOをはじめとするさまざまな企業でAI(人工知能)プロジェクトを推進してきた野口竜司氏だ。ともすれば「AIに仕事を奪われる」「自分には無理」と尻込みしがちな文系ビジネスパーソンに対して、「時代は理系主導の『AIをどう作るか』から『AIをどう使いこなすか』に移りつつある」「そこで重要になるのは、ビジネスの現場も知っている文系AI人材なのだ」と語りかけて、やる気を鼓舞する。

ユニークなのは、AIの基礎知識の理解は、「丸暗記」や「ざっくり」でOKという文系人間に優しい目線。フォーカスを「活用法」に絞り、AIを使ったビジネスプランを作る具体的なプロセスの解説と、業種別×活用タイプ別の事例紹介により多くのページを割いている。

『文系AI人材になる――統計・プログラム知識は不要』
著:野口竜司
出版:東洋経済新報社
 著者の野口氏はZOZOテクノロジーズ VP of AI driven businessの肩書を持つZOZOのAI活用のけん引役。大企業やスタートアップ向けのAI研修などでも活躍しているが、実は立命館大学政策科学部という文系出身だ。執筆にあたっては「プログラミングや統計・数理的なことの中身に触れない」「AIの専門用語を極力使わない」「できるだけ多くの事例を入れる」という3つのルールを徹底。非エンジニアでも読みやすい内容となっている。

注目を集めた本とはいえ、商社ビジネスとどんな関係があるのだろうか。選書の背景を聞くため取材を依頼すると、応じてくれたのはなんと同社デジタル総合戦略部。19年に設立された新部署だ。

『文系AI人材になる』を新入社員を含む全社員に薦める背景には、同社が昨年策定した「DX(デジタルトランスフォーメーション)総合戦略」がある。

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