パッタイ・ラクサ… 家で作れる、簡単アジアの絶品麺

長引く巣ごもり生活は料理で変化をつけたい。アジアには麺を使った料理が各地にある。手軽に作れるアジアの麺料理を専門家が選んだ。
1位 パッタイ(タイ)
690ポイント 甘み・酸味・辛みの三位一体

材料 フォー80g 殻付きエビ100g 豚バラ肉50g もやし80g 玉ネギ1/4個 ニラ20g A〔ナンプラー大さじ1 オイスターソース小さじ1 砂糖小さじ1/2 鶏ガラスープの素小さじ1/4 粉唐辛子ひとつまみ 黒こしょう少々〕 油小さじ1 トッピング〔無塩ピーナツ10g パクチー(葉)適量 ライム(くし切り)2切れ〕
(1)エビは殻をむき背わたを除く、ピーナツ粗みじん切り、玉ネギは薄切り
(2)ニラと豚肉を3cm幅に
(3)フォーをゆで水気を切る
(4)中火で熱したフライパンに油をひき、豚肉とエビを入れて火が通ったらもやしと玉ネギを入れてさっと炒める
(5)(3)を加えて中火で炒め、なじんだらAを加えて炒める
(6)ニラを加え、弱火でさっと炒め合わせて火から下ろす。トッピングを加える
ライスヌードルを炒めたタイの屋台料理。「甘み・酸味・辛みと、南国タイ特有の三位一体の味が楽しめる」(伊能すみ子さん)。フォーのもちもちした食感が良いが、そうめんなどでも代用できる。「フォーはゆですぎると炒めているときに崩れてしまうので注意」(森山さとみさん)
(1)20分(2)400円
2位 ラクサ(シンガポール)
660ポイント ラーメンのように多様な麺

【1人分】 中華麺(蒸し) 1玉 鶏もも肉150g 塩こしょう(下味用) ふたつまみ 厚揚げ50g 豆もやし30g ココナツミルク〔水300ml ココナツミルクパウダー30g〕
A〔カレー粉大さじ1/2 桜エビ1g〕 B〔ナンプラー大さじ1.5 鶏ガラスープの素小さじ1〕 ごま油大さじ1 トッピング〔フライドオニオン大さじ1 パクチー3g〕
(1)厚揚げは半分に切り1cm幅
(2)鶏もも肉は一口大にし塩こしょう
(3)ココナツミルクを合わせる
(4)中華麺をゆで湯切り
(5)中火で熱した鍋に油をひき、Aと(2)を入れて炒め、鶏肉に油が回ったら(3)とBを入れ3分程煮込む
(6)(1)と豆もやしを入れ2分煮込み、鶏肉に火を通す
(7)(4)と(6)を合わせトッピングをのせる
シンガポールやマレーシアの料理で、日本のラーメンのように土地ごとの味がある。このココナツ味のものは本場ではターメリックなどの香辛料を使う。「桜エビのうまみを加えることで味わい深く仕上がっている」(川端里実さん)「具材はシーフードもおすすめ」(森山さん)。
(1)30分(2)300円
3位 カオソーイ(タイ)
550ポイント カレーとココナツの絶妙な組み合わせ

鶏手羽元4本 中華麺(生)2袋 ココナツミルク300ml レッドカレーペースト20g カレー粉大さじ1 ナンプラー 大さじ1.5 砂糖大さじ1 A〔水400ml 鶏がらスープの素小さじ1〕 トッピング〔ベビースターラーメン・紫玉ネギ(薄切り)・パクチー・レモン(くし形)各適量〕
(1)鶏肉は骨に沿って切り込みを入れ軽く開く
(2)鍋に(1)、ココナツミルク1/3量、カレーペースト、カレー粉を入れ炒める。鶏肉に軽く火が通ったら、Aを注ぎ弱めの中火で15分煮る
(3)残りのココナツミルクを入れひと煮し、ナンプラーと砂糖で味を調整
(4)ゆでた麺を器に入れ(3)を注ぎトッピングをのせる
カレーのスパイシーさとココナツミルクの甘い香りが好相性。レモンを搾ると爽やかさも加わる。本場ではゆでた麺の上にカリっと揚げた麺をのせるが「ベビースターで代用できるのが面白い。アウトドア料理にも良さそう」(吉川愛歩さん)。「レッドカレーペーストは余ったら冷凍できるので挑戦の価値あり」(外処佳絵さん)
(1)30分(2)800円
4位 鶏肉のフォー(ベトナム)
440ポイント 味わい深い鶏のだし

【1人分】 フォー80g 鶏もも肉100g もやし50g 紫玉ネギ20g パクチー10g ニンニク1/2片 A〔水300ml 酒大さじ1 鶏ガラスープの素小さじ1〕 B〔ナンプラー大さじ1 塩ふたつまみ〕 サラダ油小さじ1 レモン1/8個
(1)紫玉ネギは薄切り、パクチーは3cm幅
(2)ニンニクはみじん切り
(3)鍋を中火で熱し油で(2)を炒める
(4)香りが立ったらA、鶏肉を入れ中火で煮込みアク取り
(5)肉を取り出し1cm幅のそぎ切り
(6)同じ鍋にBを加え中火でひと煮立ち
(7)フォーをゆでる
(8)もやしを500Wの電子レンジで2分加熱
(9)器に水切りした(7)を盛り(6)をかけ水気を切った(8)、(1)、(5)、レモンをのせる
ベトナム料理で親しまれる米粉の麺で、スープは優しい味わい。「鶏のだしがしっかり利き子供でも食べやすい。パクチー好きな人は多めに、抜きでもOK」(滝村雅晴さん)
(1)30分(2)400円
5位 コングクス(韓国)
410ポイント 豆スープの冷製麺

そうめん200g キムチ100g きゅうり1/3本 ゆで卵1個 白すりごま大さじ2 ごま油適宜 A〔無調整豆乳400ml 塩小さじ1〕
(1)Aを混ぜて冷蔵庫で冷やしておく
(2)キムチはざく切り、きゅうりは千切り、ゆで卵は縦半分に切る
(3)そうめんは表示通りゆでて冷水にさらし、水気を切って器に盛る。(1)を注いで白ごまを振る
(4)キムチ、きゅうり、ゆで卵の順にのせる。お好みでごま油をまわしかける
冷たい豆のスープと麺の組み合わせ。「近所のスーパーでそろう材料で簡単にできる優良メニュー。余ったそうめんの新しい使い方としてもよい。おいしい豆乳を使うのが味の決め手」(福本由美香さん)。「豆乳でヘルシーに食べられる」(中川恵子さん)
(1)10分(2)330円
6位 ビビン冷麺(韓国)
400ポイント 甘辛さがクセになる汁なし冷麺

【1人分】 韓国冷麺1玉 A〔料理酒大さじ1 酢大さじ1 コチュジャン大さじ1 ごま油大さじ1 粉唐辛子小さじ2 しょうゆ小さじ2 砂糖小さじ1 白いりごま小さじ1〕 トッピング〔チャーシュー2枚 キムチ50g きゅうり30g ゆで卵1/2個〕
(1)きゅうりは千切りにする
(2)料理酒はアルコールを飛ばし粗熱を取る
(3)鍋にお湯を沸かし、韓国冷麺をパッケージの表記通りゆで、流水で洗い、水で冷やす
(4)ボウルにAを混ぜ合わせる
(5)お皿に(3)を盛り付け(4)をかけ、トッピングをのせる
甘辛ダレを絡めて食べる韓国の伝統的麺料理。「キムチを常備している家庭も多く、ビビン麺は家庭で作りやすいのでは」(武蔵裕子さん)。氷をのせるとよりさっぱり食べられる。
(1)30分(2)300円
7位 トムヤムクンラーメン(タイ)
370ポイント 甘酸っぱさが食欲をそそる

【1人分】 中華麺(生)1玉 豚ひき肉50g もやし50g エビ(ボイル)3尾 ナンプラー小さじ1 スープ〔水300ml トムヤムペースト大さじ2 牛乳30ml ナンプラー大さじ1/2〕 トッピング〔パクチー10g(3cm幅に切る) 小ネギ(小口切り)適量 ライム(くし切り)1/4個〕
(1)エビは殻と尾を取り、
(2)熱したフライパンで豚肉を炒める
(3)もやしを入れ油がなじんだらエビ、ナンプラーを入れ混ぜる
(4)麺をゆで水気を切る
(5)鍋で水を沸かし、スープ材料を入れ、トムヤムペーストを溶かし、ひと煮立ちさせる
(6)器に(4)をのせ、(5)を注ぎ、トッピングを添える
タイのスープ「トムヤムクン」がベース。「ライムを搾りパクチーを入れれば一気にタイの香り」(外処さん)。トムヤムペーストで本格的な味に。「即席麺でもOK」(滝村さん)
(1)30分(2)500円
8位 ミーゴレン(インドネシア)
360ポイント 東南アジアの焼きそば

【1人分】 中華麺(蒸し)1玉 エビ80g もやし50g 玉ネギ30g ピーマン1/2個 ニンニク1片 卵1個 サラダ油(卵用)小さじ1 A〔ケチャップ大さじ1.5 オイスターソース小さじ1 ナンプラー小さじ1 砂糖小さじ1〕 サラダ油大さじ1 パクチー3g レモン(くし切り)1切れ
(1)玉ネギとピーマンは5mm幅
(2)パクチーは3cm幅
(3)ニンニクは薄切り
(4)フライパンに油をひき熱し、卵の白身が固まったら取り出す
(5)同じフライパンに油と(3)を入れエビを炒め(1)ともやしを炒める
(6)玉ネギが透き通ったら麺とAも炒める
(7)皿に移し(4)と(2)とレモンを添える
東南アジアの焼きそば。「目玉焼きがのっていて子供も喜びそう。ホットプレートでも楽しく」(野口英世さん)。「ケチャップの酸味がよいアクセントに」(伊能さん)
(1)30分(2)300円
9位 ラッポッキ(韓国)
350ポイント 餅とラーメンの欲張り麺

トッポギ用餅200g 即席ラーメン1袋 キャベツ100g 長ネギ1/2 ゆで卵2個 水500ml 顆粒いりこだし小さじ2 タレ〔しょうゆ大さじ2 はちみつ大さじ2 コチュジャン大さじ1.5 砂糖大さじ1 粉唐辛子大さじ1〕
(1)キャベツはざく切り、長ネギは2cm幅の斜め切り
(2)ボウルにタレの材料を入れて混ぜ合わせる
(3)鍋で水を沸騰させ、顆粒いりこだしを加えてよく混ぜ合わせる
(4)沸騰したら(2)を混ぜ合わせ、(1)、ゆで卵、トッポギ用餅を加えて中火で加熱し、餅が少し柔らかくなるまで10分煮込む
(5)即席ラーメンを加えてゆで器に盛る
ラーメンと韓国の餅の一種、トッポギが一緒になった屋台グルメ。「炭水化物まみれでジャンクなのにおいしい」(村上祥子さん)。ニンジンや玉ネギを加えてもよい。
(1)20分(2)600円
9位 チャプチェ(韓国)
350ポイント 子供でも食べやすい春雨炒め

緑豆春雨60g 牛こま切れ肉120g A〔しょうゆ大さじ1 料理酒大さじ1 みりん大さじ1 オイスターソース小さじ1 すりおろしニンニク小さじ1/2〕 ニラ30g しいたけ2個 玉ネギ1/4個 赤パプリカ1/4個 ごま油大さじ1 白いりごま適量
(1)ボウルで牛肉とAをもみ、落としラップ。冷蔵庫に10分置く
(2)ニラは3cm幅、しいたけと玉ネギ、パプリカは薄切り
(3)鍋で春雨をゆで湯切り
(4)フライパンを中火で熱しごま油で(1)を炒める。肉に火が通ったら(2)と(3)を加え中火で炒め、玉ネギがしなったら完成。白いりごまをかける
春雨を炒めた韓国料理。しょうゆやみりんを使った「甘めの味付けは日本人になじみ深く、子供にも好まれる。肉や野菜たっぷりで栄養もありそう」(畑田祐子さん)
(1)20分(2)300円
アジアの麺文化 各地で花開く
中国からアジア各地への移民が、その土地ならではの麺料理を生み出したのがアジアの麺の歴史とされる。小麦粉や米粉といった素材の違いのほか、麺の長さや太さ、スープかあえ麺かなど調理方法、調味料の違いなど、様々な料理が各国で親しまれている。「同じ『カオソーイ』でもタイとラオスでは麺やスープが異なるなど、名前が同じでも地域による違いがある」(アジアンフードディレクターの伊能すみ子さん)
「現地の食堂などではテーブルに置かれたトウガラシ、しょうゆ、砂糖、酢、ナンプラーなどを加えて自分好みの味にすることが多い」とアジア料理研究家の外処佳絵さん。日本の食材でも作れるが、より現地感を味わうなら、現地産の麺や調味料をアジア食材店やネット等で調達すると良い。「香味野菜は香りをしっかり出す、薬味やスパイスは新鮮なものを使うなど、香りにこだわることが自宅で調理するポイント」(外処さん)という。
ランキングの見方
調査の方法
今週の専門家
(砂山絵理子)
[NIKKEIプラス1 2021年6月12日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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