人脈づくりが大事 週1回は社外の人とランチ

自分を分析して、タグ付けしてみる

――具体的に「タグ付け」はどうやればいいのですか。

では、サンプルを見てもらいながら、説明します。【】がタグの候補になります。Aさんはずっと【機械部品】の業界でキャリアを積んでいます。そして【法人営業】というのもタグになります。どれくらいの期間、どんなことをやっていたかにもよりますが、【採用担当】をしていたということもタグになります。「営業」をやっていて「採用」も経験している、これは珍しいと思います。そして【ワーキングママ】でもありますね。働きながらお子さんを育てて、かつ【リモート】下で売り上げを伸ばしています。新しい働き方で結果を出したということは、今の時代にかなり強いタグになると思います。

このように書き出したタグを掛け算していったとき、市場に「いそうでいない人」になると、非常にニーズがあるわけです。タグの中から3つ程度を選んで「今一番イケてる掛け算はなんだろう?」と考えてみてください。「イケてる」というのは「市場の中での人材のニーズ」という意味です。需要と供給のバランスが悪いほど、希少価値が高くなります。

――例えばAさんが、自動車業界に隣接する「運輸業界」で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ができる人材を今の給料の1.5倍で求める求人を見つけたとしたら、思い切って転職したほうがよいでしょうか。

そうですね、キャリアチェンジにおいて、「職種」と「業種」の両方を一気に変える転職は非常に難しいので、どちらか一方だけを変える転職をステップとして踏んだほうがやりやすいと思います。まずは法人営業のまま、自動車業界から運輸業界へ。その後、働きながらDXを学んだり、社内のDXの仕事を手伝ったりして経験を積むなどしてから、改めて営業職からDXの分野へ挑戦すればいいと思います。冒頭に申し上げた通り、1回の転職で自分の望みをすべて果たそうとせず、徐々に軸足をずらしていくことで、最終的に自分の理想に到達すると思います。

――「タグ付け」以外に、転職2.0においてやるべきことはありますか。

それは「ネットワーキング」ですね。これまでは、狭く深い関係が仕事の中心を支えていたと思いますが、ビジネスが自社で完結することも少なくなってきた昨今では、社外の力を借りながら事業を進めることが求められています。広く浅いネットワークをいろいろな業界に持っていることが強みになります。

――ネットワークはどのように広げていけばいいのでしょうか。

週1回は社外の人とランチを食べに行く、ということだけでも広がります。よくあるのは、毎日同じメンバーで仕事をして、同じメンバーでランチをして、同じような話をしている、ということ。これでは新しい情報が入ってきません。週1回でもいいので誰か社外の人をランチに呼び込むなど、意図的にきっかけを作っていくことは大事だと思います。

――「タグ付け」と「ネットワーキング」の両方が必要、ということですね。

ただタグを付けただけでは「自分はこう思われたい」という自己満足になってしまい、市場とのギャップがわかりません。ネットワークを使って自分がどう見られているのかを知ることがとても大事です。新しい仕事の機会を得るためには、周りの人が自分をどう認識しているのかを知った上で、「自分が得意とすること」と「次にやりたいこと」の2つを周りの人たちに埋め込んでいく作業が必要です。それによって、どこからかチャンスが舞い込んでくる可能性が広がると思います。

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