――自治体はどんな専門性を期待しているのですか?

「大きく2つあります。1つはデジタル人材です。行政も手続きのデジタル化が求められています。スマートシティ構想など将来に向けて情報環境整備も進めなくてはいけません。最先端のデジタル領域を担える人材は地方公務員にそう多くはありません。さらにデジタル人材は都市部に集中しており、地方ではなかなか採用もできません」

「もう1つはコンサルティング分野の人材です。少子高齢化や人口減対策、新産業の創出など地方自治体は様々な課題に直面しています。それらを解決するには地元事情に精通する地方公務員だけでなく、国内外の最新知見も必要です。既存の地方公務員と連携し、将来構想を練る戦略コンサルタントが求められています」

「コロナ禍で企業や社会のデジタル化が加速しています。そんな動きもあり、足元ではデジタル人材の副業採用が目立っています。ただ、今後はコンサルティング分野の専門人材を求める自治体が増えそうな気配です」

――地方自治体で働く副業人材の特徴は?

「先ほど京都市の事例でも指摘しましたが、ほかの自治体の応募者をみても年収1000万円を超える若手人材が副業に関心を持っています。そこからうかがえるのは経済的な報酬よりも、やりがいを副業に求めている傾向です。自治体にもよりますが、副業の報酬は日当で2万~2万5千円程度。勤務は月4回程度なので月額報酬は8~10万円程度です」

「副業の対価として安くはありませんが、本業で年間1000万円以上稼いでいるビジネスパーソンにとって魅力的な厚遇ともいえません。それでも多数の応募があるのは社会貢献意識が強いからです。自分が培った能力や知見を生かして、社会や地方を良くしたいと思っている方が目立ちます」

「日本はますます少子化、人手不足が深刻になります。優秀な人材には1つの組織に限らず、多くの場で活躍してもらわなくてはなりません。地方自治体は都市部の優秀人材に期待しており、副業人材の活用はさらに広がっていくとみています」

(編集委員 石塚由紀夫)

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