ツバメは4位で11億羽 野生の鳥の数、世界ランキング

日経ナショナル ジオグラフィック社

2021/6/11
ナショナルジオグラフィック日本版

米ニューヨーク、ブルックリンのブッシュウィック地区上空に飛び上がるハトの群れ。ここにはいったい何羽のハトがいて、世界には何羽の鳥がいるのだろうか。その答えを探る新たな論文が発表された(PHOTOGRAPH BY GEORGE MCKENZIE JR)

あの大群にはいったい何羽のツバメがいるのだろう? 朝日の中で旋回するミドリツバメの群れを目撃した生物学者のコーリー・キャラハン氏はそう考えた。2015年、米国フロリダ州エバーグレーズ北部の湿地帯でのことだ。そして、世界全体ではいったい何羽の鳥たちがいるのだろうか?

「強烈な体験でした」とキャラハン氏は言う。好奇心にかられた氏は、まず自分が目撃したばかりの群れに鳥が何羽いるのかを確かめてみた。群れの写真を撮り、画像のさまざまな部分の鳥の数を数え、そこから群れ全体の数を割り出してみると、その数は50万羽を超えていた。

世界中にいるすべての鳥の数を数えるには、当然ながらこれよりもはるかに手間がかかる。それでも数年後、少なくとも妥当な範囲としてでも、キャラハン氏は世界で初めて種ごとのその具体的な数を見積もる作業に着手し、21年5月17日付で学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」にその結果が発表された。

新たな論文において、オーストラリア、シドニーにあるニューサウスウェールズ大学に所属するキャラハン氏とほか2人の研究者は、地球上には500億から4280億羽の鳥が生息しているとの推定値を示している。

数値の範囲が非常に広いのは、さまざまな不確定要素があるためだ。そうした要素としては例えば、空を飛ぶ大量の小さな動物を数えるのは困難であること、鳥が移動する範囲が広くて不明瞭なこと、世界の多くの地域で科学的データが不足していることなどが挙げられる。

この研究は、専門の科学機関と市民科学者の両方が収集したデータとを組み合わせた独自の方法を用いて、世界の全鳥類種の92%をカバーしている。世界の鳥の数を種ごとに推定しようという初の試みについて、キャラハン氏は、こうした研究はもっと早く行われるべきだったと考えている。「わたしたちは人間の数を数えるのに膨大な時間と労力を費やしていますが、自分たちが地球を共有する多様な生物についても、きちんと把握しておく必要があるでしょう」

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