現地での呼び方を積極的に採用

教科書内の語句の表記にも注目したい。英国で17世紀に発生した専制政治に対する蜂起、清教徒革命がピューリタン革命と変わっている。教育出版の担当者は「現地語により近い正確な表現を重視している」と話す。

教科書は改訂を経て性質を変えてきた。帝国書院第一編集室の板谷越光昭部長は「知識を定着させるだけでなく、揺れ動く学説も書き、生徒の思考力を養えるようになっている」と説明する。大人が読んでも教科書は面白い。

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海外の歴史教科書も日本語で読める

外国の歴史教科書を読み比べるのも面白い。明石書店(東京・千代田)は1998年から「世界の教科書シリーズ」を刊行している。韓国のほかフィンランドやデンマーク、ロシア、ベトナム、メキシコなど幅広い。編集部部長の神野斉さんは「同シリーズは中国や韓国の歴史認識への相互理解を目的に刊行し始めた」と話す。

なかでも興味深いのが独仏の教師らが共同で執筆したという「ドイツ・フランス共通歴史教科書」だ。両国で対立する見解をあえて載せるなど、学習する生徒の思考力を鍛える工夫が施されている。コンパクトで読みやすいのは「イギリスの歴史」。主に大英帝国の視点から歴史を学べるという。一読の価値ありだ。

(清水玲男)

[NIKKEIプラス1 2021年5月22日付]

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