クリストフル ジャパン社長のフレデリク・ジェダさんは大の時計好きだ。作り手と使い手の物語が詰まった個性的な時計に引かれ、自身のスタイルに合わせてつけ替えて楽しむという。フランス人のジェダさんにとって、自分らしさの表現は仕事の装いでも重視することだが、日本人ビジネスマンは他の国と比べてもコンサバから抜け切れていない人がまだ多い。来日して20年、フランス人であるジェダさんが日本人男性の装いに感じる「違和感」とは何だろうか。(この記事の〈上〉は「『置きジャケット』で仕事服革命 クリストフル日本社長」)
――時計が趣味とお聞きしました。時計の魅力はどこにありますか。
「時計好きのみなさんと同じで、細かい作業に職人技や情熱が感じられるところですね。ムーブメントの技術や細密な装飾に、すばらしい、と感動が生まれます。開発ストーリーにも興味があります」
カルティエもGショックも好き
――お気に入りの3つの時計を持ってきていただきました。こちらはカルティエですね。薄くてピンクゴールドが美しいです。
「カルティエのサントス・デュモンです。2004年にサントス・デュモン100年記念として出た復刻モデルです。すごく薄いのが特徴で、スーツの袖口にも収まります。この時計は飛行機王ともいわれた発明家、アルベルト・サントス・デュモンが『飛行機を操縦しながら時間が確認できる時計がほしい』と希望して、そのニーズに応えてカルティエが作ったというエピソードがあります。お客さまのニーズに合わせて作ったらヒットした、というのが面白い。シンプルなデザインとピンクゴールドのシャイニーな色のハーモニーが美しい」

「パネライはルミノール・マリーナです。40mmとパネライにしては小さめで、シンプルさが気に入っています。この白モデルはもう売っていないのですが、どうしてもほしくて中古で探して手に入れました。ジャガー・ルクルトはマスター・ジオグラフィークというシリーズで世界の都市の時刻がすぐ分かる。多機能でありながらこの薄さというところに感動します」

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