
ナイフやフォークなど銀器の仏ブランド、クリストフル ジャパン社長のフレデリク・ジェダさんは、数年前から社員に「服装の自由」を提唱してきた。猛暑でもスーツを着用するなど我慢を強いることは発想の妨げになる、と信じているからだ。最近は自身の服装もスマートカジュアルが中心で、スニーカー通勤がぐっと増えた。そして、コロナ禍――。家で過ごすことの価値が見直されテーブルウエア市場に追い風が吹く。「おうち時間」を楽しめる商品を開発しようと社員全員で議論する日々。自由な服装は柔軟な思考につながり、ユニークなアイデアを生む手助けになっていると言う。(この記事の〈下〉は「『イタリア男完コピ』は日本の謎 クリストフル日本社長」)
――最近愛用するのがオニツカタイガーのスニーカー。どこに魅力を感じますか。
「2000年に来日して初めて発見したスニーカーブランドがオニツカタイガーでした。当時はカルティエで働いていて、大阪に出張したときに見つけてファンになり、それから買い集めて今は15足ほど持っています。なぜ好きかというと、アシックス創業者の鬼塚喜八郎さんの斬新な発想から生まれたというブランドヒストリーに興味を持ったからです。日本のもの作りのすばらしさや素材の組み合わせのおしゃれさも気に入っています」
「他のスニーカーと違うところは、柔らかなフォルムとやさしいイメージ。いかにもスニーカーといった硬さがないので、どんな服装にもなじむんです。シルバーやゴールドのメタリック系も好きで、今日はシルバーを履こうか迷いました。色や素材で春夏用、秋冬用とスニーカーを履き分けます」

仕事靴は「快適」が大事 スニーカーの出番増える
――仕事で履く靴は何を重視して選びますか。
「快適かどうか。毎日たくさん歩きますので、1日中歩いても疲れないものでなければ買いません。オニツカタイガーを展開するアシックスはウオーキングを研究し尽くしていますから信頼できます。このナイキのスニーカーもスリッパのレベルのような快適な履き心地が決め手でした。一昨年くらいからオフィスでもスニーカーを履くことがずいぶん増えたんですよ」

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