――自身の服装で意識していることは何ですか。

「色の組み合わせです。一番自分らしいのが、今日のような白と水色で、仕事ではこの組み合わせが多いですね。ちょっと夏っぽいのですが、気持ちが落ち着き仕事に集中できる色です。スーツはネイビー、水色、薄いグレーが中心。週末のオフのときは逆に赤いTシャツやポロシャツなどにぎやかな色を取り入れます」

仕事では薄い水色と白の組み合わせがもっとも集中できる色の組み合わせ。子供と遊ぶ週末はにぎやかな色を着る

――何を基準にしてその日着る服を決めていますか。

「毎朝、朝ご飯を食べながらアジェンダを確認し、その日にだれと会うかを確認してから服装を決めます。今日の気分で、といきたいところですが、やはり大事なのは今日会う人に与えたい印象は何か、ということです。というわけで本日の服装は、クリストフルの代表らしいぎりぎりのところを表現しながら、自分が快適な格好、その両方をミックスして選びました。今日伝えたいメッセージは、ラグジュアリーブランドはクラシックやフォーマル感だけではなく、少し遊び心を入れたファッションを身に着けてもいいんじゃないかと思う、ということです」

ファッションの遊び心 仕事にも生きる

――クリストフルもクラシックな銀器ブランドというイメージから脱却し、遊び心のある商品を生み出していますよね。

「そうなんです。ロゴも変えましたし、最近の商品では遊び心を取り入れたものがたくさんあります。アーティスティックな卵形のカトラリーセット『MOOD(ムード)』ではファッション界のアーティスト、ファレル・ウィリアムスらさまざまな人とコラボしていますし、黒のナイフやフォークは、モードっぽくて新しい世代にも受け入れられています」

ファレル・ウィリアムスさんとコラボした「MOOD(ムード)」。「食器棚にしまい込んで使われなくなるカトラリーではなくて、表に出してオブジェとしても楽しめるカトラリーを作ろう、という提案からMOODが生まれました」

――リビング用品は、「おうち時間」を快適にしたいというニーズのおかげで売れているようですね。

「クリストフルも19年比で2桁成長です。家で過ごす時間が増え、これまで家の中に目を向けてこなかった人が、ちゃんとしたインテリアをそろえたい、と興味が出てきたようです。毎日のメインでなくていいのですが、たまには黒のカトラリーでテーブルセットをして、ご飯を楽しむことがあってもいい」

ピンクゴールド、ゴールド、黒の色を楽しむカトラリー。価格も抑えめで、新しい世代に受けている

――いつもクラシックではなく、たまに遊びを入れてメリハリを楽しむんですね。ファッションもそうありたいですね。

「コロナがあってもなくても20年前と何が変わったか、と考えると、ずっとクラシック、ずっとまじめでいる、ということが減ってきました。20年前に初めて日本に来たときは男性は100%ネクタイ姿でしたが、今は6割くらいでしょ。スタッフにはファッションでも遊び心を持ってほしいし、その遊び心をプロジェクトや商品開発に生かす。そういうカルチャーをつくっていきたいです」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

(下)「イタリア男完コピ」は日本の謎 クリストフル日本社長 >>


SUITS OF THE YEAR 2020

新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。

>> 詳細はこちら

SUITS OF THE YEAR 2021
Watch Special 2021
SPIRE
SUITS OF THE YEAR 2021
Watch Special 2021
Instagram