「現状、ほぼすべてのSaaS型企業が採用を増やしていると言っていいほど採用意欲が旺盛です。巣ごもりやリモートワークをはじめ、コロナを機に始まった行動変容が定着したことが背景にあり、どの企業も一段上の規模の組織を目指すべく活発に採用しています。職種としては企画からエンジニア、営業まで広く募集が続いています」

旅行業者など未経験者にもチャンスあり

――ネット業界を経験したことがない「未経験者」にとってのチャンスは広がっていますか。

「昨年後半からの採用拡大の流れのなかで、未経験者を採用するケースが非常に増えました。経験者が争奪戦になり採用しづらい、という面もありますが、求める人材の質が変わってきたことも大きな要因です。例えば、ECアドバイザーの仕事を例にとると、従来はクライアントの多くは中規模以上の企業で、基本的なことに精通しているEC担当者と販促策について意見を出し合う形でした」

「最近は小規模な企業や個人事業者の顧客が増え、いわば『素人』相手にEC販促策をアドバイスするようになり『寄り添う力』が必要になってきました。ネット広告の営業についても同様にクライアントの規模が小さくなっています。個人や素人に寄り添う力は対面販売での強さと通じるものがあり、業界環境が厳しい旅行会社社員やアパレルの販売員などがネット企業に転職し即戦力として活躍することは十分可能だと思います」

「また、最近脚光を浴びているDX(デジタルトランスフォーメーション)関連のSaaS企業にしても、コロナ前は顧客企業のIT担当者と『現在抱えている課題をテクノロジーでいかに解決するか』をテーマに話し合っていた。それがコロナ下で『業務効率で漠然と困っており、テクノロジーで何とかしたい』といった相談に向き合うケースが大幅に増えました」

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