2021/5/27

安藤先生 一方でインターンについて、政府から出されている「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」では、大学4年生の6月までは、企業側があらかじめ明示していたとしても「(インターンで得た)学生情報は採用選考活動に使用できない」とされています。

もちろん実際に就職活動をしている学生の皆さんからすると「そうは言ったって本当はやっているんでしょ?」と感じていることは理解できます。例えば、いまの大学4年生について、採用広報が解禁されるはずの3月1日の時点ですでに内定を得ている学生が21.1%いて、その大部分はインターン先の企業という調査結果もありますしね。

ただ、この政府から出されている基本的な考え方は、「学生の皆さんを守るため」に定められたものだということは理解してください。ご存じだと思いますが、インターンと一概に言っても、様々な種類があるのです。主なものとしては、

・大学と企業や行政が提携し、大学の単位として認可される比較的長期のもの
・企業や行政に直接申し込み、選考を通じて行われるもの(1日だけの短期のものから、1カ月以上の長期のものまで)
・募集は「インターンシップ」となっているが、形態としてはアルバイト活動といえるもの

などがありますね。

蒼太 そうなんです、たくさんありすぎて。皆が準備を始めているので、色々な情報を見ていたら迷ってきてしまったんです。でも気持ちだけは焦るから、どれでもいいから申し込んで体験しておいたほうがいいのかなと思ったりもして……。

それで、1人で悩んでいてもと思い、先生に相談しにきました。

安藤先生 どれでもいいからというのは、確かに危険ですね。

南さんもインターンを体験するからには就活をはじめとした自分自身の進路選択に役立てたいわけですよね。選考に有利になる可能性だけではなくて、志望業界や志望企業のことを知る、自分自身の興味を知る、という側面も重要です。

実は企業側も不安でいっぱい

蒼太 そうですね。焦ってもダメですよね。それはわかっているつもりですが、ゼミの先輩も、すでに就活を終えている人もいれば、就活真っただ中でゼミに出席できない人もいるので、やはり3年生のみんなも「なんだか不安だな」って顔をしています。

安藤先生 学生の皆さんが不安に思うのは当然です。最初にどの会社に就職したのかによって、その後の生活やキャリアも変わってきますしね。

さて、学生の視点だけではなく、企業の視点からもインターンについて考えてみましょう。企業はなぜインターンを実施するのでしょうか?

蒼太 優秀な学生を早めに確保したいんだと思います。先ほど先生もお話しされていましたが、すでに就活を終えたゼミの先輩は、インターン先の企業に就職するそうです。

でも正直、僕はインターンなんてやめてほしいという気がしていて。まだどの業界を志望するかも固まってない僕みたいな学生からすると、損する仕組みのように感じます。優秀な友達とかを見ると、「あぁ、こんな活発でデキる奴はインターンですぐに企業に目をかけられて、さっさと内定もらっちゃうんだろうなぁ」と思うんです。だからインターンは、そういうデキる奴との差をどんどん広げちゃう仕組みですよね……。

安藤先生 「差が広がる」ですか。確かにそのような面はありますね。すでに十分な準備をしてきた学生とこれから就活に取り組む学生では、インターンの機会を活用できるかどうかに違いが出ることは避けられません。

しかしインターンだけで予定している採用人数のすべてが決まってしまう企業は少ないと思います。通常の採用プロセスで決まる人数の方が多いので安心してください。何しろインターンに参加できる人数は、実際の採用人数と比較して非常に少ないわけですから。

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