「本人と音楽との距離感の近さ」は、今後の成長力に大きな影響を与える、とSKY‐HIは語る。一方で、既存の日本の育成システムには、アーティストを目指す才能の音楽的な資質や志向を生かす仕組みがないことも問題点として挙げる。

「本人の志向する音楽、ミュージカリティーみたいなものがパフォーマンスから見えると、それが研ぎ澄まされていった形も見えるし、こちらも今の課題を克服するために採用するメソッドやトレーニングなどを的確にサポートできるんです。一方で『Be Myself(自分のままで)』をメッセージとして掲げている以上、決めたカラーに無理やり当てはめるのは本末転倒です。『出していくものがカラーになっていく』ことこそあれど、そのカラーやコンセプトありきに進めてしまうのはすごく危険。特に、候補生に将来性のある10代も多く抱えていることを考えると、そこはすごくきちんと考えないといけないと考えています。そういった意味では、年齢にかかわらず、『成長した姿に責任が持てる』人を選んでるっていう部分はありますね。

今回、ローティーンの才能に出会って、改めて日本の芸能の課題を感じました。13~14歳くらいの子ってネイティブなラッパーが多く、ラッパーとしての技量や表現が成熟しているんです。逆に20代のほうがそこが足りない子が多い。ラップができる13~14歳くらいの子がどうしてダンス&ボーカルを志向できるのかというと、それこそK‐POPがあって、ラップもダンスもボーカルもうまくなることが必要だし、それが普通という状態に意識がアップデートされているんです。僕自身、グループもやりながらソロでラッパーとしても活動してきましたが、僕のような活動をしている人は韓国にはたくさんいる。こういうスタイルの人間が日本にあと3~4人いれば、状況は違ったんだろうなと思います」

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「見ている」ことを伝える必要性
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