ファン向けプラットフォーム ソシャゲ的楽しさも装備連載 エンターテック(10)

日経エンタテインメント!

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テクノロジーの進化によって、アーティストがファンとの関係性をより深めやすい環境が整ってきています。そんな中、従来のファンクラブサイトにはないような、ガチャやミッションといったソーシャルゲーム的な機能などを充実させることで、ファンとのエンゲージメントを高めているプラットフォームが「ユートニック」です。これまでに、お笑い芸人の木梨憲武、ミュージシャンのEveなど約200組のオリジナルアプリ、サイトを制作しています。

Eveのアプリ「ZINGAI」では、ユーザーがプロフィール画面を、ガチャで獲得したキャラクターに変えられる仕組みになっている

実際にアーティストたちはユートニックをどう使っているのか。MTVジャパンやユニバーサルミュージックなどで、次世代の“エンタテインメント×テクノロジー”の新規事業開発を担当してきた鈴木貴歩氏が、ユートニック社で共同代表を務める、常田俊太郎氏に話を聞きました。

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――ユートニックを開発した経緯を教えて下さい。

常田俊太郎 1990年生まれ、長野県出身。東京大学工学部卒業後、コンサルティング会社を経て、2018年にユートニックを共同創業。幼少の頃からバイオリンを習い、実弟の常田大希のバンドKing Gnuにバイオリンで参加することも

2018年に起業したんですが、その前はコンサルティング会社に7年ほどいました。銀行や自動車、ゲーム企業などを担当し、様々な経験を積むなかで、「エンタテインメント業界のビジネスモデルには、もっといい形があるのでは?」と考えるようになったんです。

例えば音楽界で言うと、やはり“売り物”を出す頻度が少ない。年間を通しても音源、ライブは数に限界がありますし、ファンクラブの平均売上額もそこまで高くありません。コンサル時代に、ソーシャルゲームのビジネスモデルを身近で見ていたこともあり、もっといい形でアーティストが作品やコンテンツをファンに届けられないかと。そこで、誰でもコンテンツを販売でき、それを入手する過程の体験価値も重視した、プラットフォーム「ユートニック」をリリースしました。

――動画や音源などの販売に加え、リアルなグッズと連動させた取り組みができるのも面白いですね。

木梨憲武さんのアプリ「フェアリーズコレクション」などがそうですね。昨年から全国で開催中の「木梨憲武展」の会場やECサイトで販売する、木梨さんが描いた妖精のステッカー(ランダム式、全30種類)に記載されているQRコードを読み込むと、アプリ上でコレクションができ、木梨さんの特別動画も見られます。アイドルの方なども、トレーディングカードと連動し、当たりが出ると、オンラインで1対1のトークができるといった使い方もされています。

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