2021/6/6

理想は実現されている

これも、技術の勝利だろう。

「ARB(Aktornahe Radschlupfbegrenzung)」と呼ばれるタイヤスリップコントロールシステムがスリップを検知すると、コーナリングを最適化するように駆動力とブレーキをコントロールするのだ。この制御が従来よりも約3倍のスピードで可能になったことで、ドライバーは気持ちよくコーナリングできるのだ。

インテリアのところで「1シリーズから8シリーズまで一気通貫している」という趣旨のことを書いたけれど、ここでは「FFとFRで通底している」と表現したい。つまりBMWが思い描く理想のコーナリングのパフォーマンスがあって、FFでもFRでも同じようなファンを味わうことができるように技術を駆使しているのだ。

目的地は同じだけれど経由地が違う、と表現してもいい。

というわけで、「3気筒のFF」は、静的、動的質感の高さで、やっぱりBMWだった。

エンジンについては、まだ葛藤が続いている。芸術家的でないというBMWのエンジンを認められるのか。他方、もちろん地球温暖化を防ぎたいという気持ちはあります。軽量コンパクトで効率のよさを実現しながらこれほどまでのフィーリングを実現しているのであれば、それは現時点においては感動的なレベルの達成なのかもしれない。

エンジンをブン回して喜ぶなんて時代遅れかも、と言いつつ、E30型「BMW M3」の相場が高騰しているのもよ~くわかる。このご時世、クルマ好きは厄介な人種だ。

(文=サトータケシ/写真=田村 弥/編集=関 顕也)

流麗なルーフラインが自慢の「2シリーズ グランクーペ」。フレームレスのドアも、上質感の演出に一役買っている。
トランクリッドの後端には、「Mリアスポイラー」と呼ばれるリップスポイラーが備わる。これも「Mスポーツプラスパッケージ」に含まれるアイテムだ。
前席のカップホルダー前方には、スマートフォンの非接触充電トレーを配置。「2シリーズ グランクーペ」の全モデルに標準で備わる。
「218iグランクーペMスポーツ」では、試乗車の「ストーム・ベイ」を含む全7色のボディーカラーが選べる。
■テスト車のデータ
BMW 218iグランクーペMスポーツ

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4540×1800×1430mm
ホイールベース:2670mm
車重:1420kg
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:7段AT
最高出力:140PS(103kW)/4600rpm
最大トルク:220N・m(22.4kgf・m)/1480-4200rpm
タイヤ:(前)225/40R18 92Y/(後)225/40R18 92Y(コンチネンタル・エココンタクト6)
燃費:13.8km/リッター(WLTCモード)/16.9km/リッター(JC08モード)
価格:448万円/テスト車=551万2000円
オプション装備:ボディーカラー<ストーム・ベイ>(16万円)/iDriveナビゲーションパッケージ(24万9000円)/Mスポーツプラスパッケージ<Mスポーツシート+Mシートベルト+Mリアスポイラー+Mスポーツブレーキ+18インチMライトアロイホイール Vスポーク スタイリング554M>(21万7000円)/電動フロントシート<運転席メモリー機能付き>(13万円)/アクティブクルーズコントロール<ストップ&ゴー機能付き>(10万3000円)/ヘッドアップディスプレイ(12万3000円)/HiFiスピーカーシステム<205W、10スピーカー>(5万円)
テスト車の年式:2021年型
テスト開始時の走行距離:2920km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2)/高速道路(8)/山岳路(0)
テスト距離:202.8km
使用燃料:19.3リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:10.5km/リッター(満タン法)/11.8km/リッター(車載燃費計計測値)

インストゥルメントパネルの中央には、高さを抑えたデザインの10.25インチモニターが配置される。
前席の乗り込み口には「M」ロゴのドアシルプレートが輝く。シートレイアウトのメモリー機能(運転席のみ)や電動調節機構は13万円のオプション。
センターコンソール後端には後席用のエアコン吹き出し口を設置。携帯端末を充電するためのUSBコネクターも備わる。
荷室の容量を最大化した状態。3分割式の後席を倒すことで、長尺物も積めるようになる。

[webCG 2021年5月3日の記事を再構成]

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