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にぎやかな商店街の中にある「焼売のジョー」大宮店。入り口の扉は換気のため、大きく開放されている

ワンコインピザの「CONA」や、ラーメン店「らぁ麺 はやし田」などを手掛けるイングス(東京・新宿)が初の居酒屋業態として始めたのが、シューマイをメインメニューに据えた「焼売のジョー」だ。20年6月、川崎市に1号店をオープンし、東京では町田、多摩センター、立川、埼玉では大宮に計5店舗を展開している。

同社アルコール事業部エリアマネージャーの井上聖さんは「居酒屋業態を始める際、キラーメニューがなければ競合に勝てないと考え、専門店の少ないシューマイに注目しました」と話す。サイドメニューのイメージが強いシューマイを主役にしたいと考え、「餃子の次は焼売だ」をテーマに掲げ、3種類のシューマイメニューを開発。店ごとにスタッフが一つひとつ手作業で包んで調理しているという。

手前から時計回りに「名物 揚げ焼売」「名物 炊き焼売 ~濃厚鶏白湯スープ~」「名物 焼売」。シューマイ、揚げシューマイの注文は2個から

「名物 焼売」(1個108円、注文は2個から)は、鶏と豚をバランスよく合いびきにした肉とタマネギのみのシンプルなあんを包んで蒸したシューマイ。いくつでも食べられるような軽い食感だ。卓上の酢じょうゆやカラシをつけたり、レモングラスの香りがする台湾の香辛料・マーガオをかけたりして食べる。

「名物 揚げ焼売」(1個198円、注文は2個から)は、あんを春巻きの皮で包んで揚げ、パリパリ・サクサクとした食感が味わえる一品。通常はラーメンに使われる鶏白湯スープでシューマイを炊き込んだ「名物 炊き焼売 ~濃厚鶏白湯スープ~」(焼売3個入り、638円)は、熱々で特に寒い季節に人気だ。

「大衆居酒屋をイメージしていますが、あえて店名に『酒場』と入れないことで間口を広げています」(井上さん)といい、客層も20~50代までと幅広い。町田店や大宮店の店先にはテークアウト専用のカウンターを設けており、「名物 焼売」が6個(480円)から持ち帰り可能。昼食や晩酌のつまみとして購入していく人も多いそうだ。

カラフルな「ソルベサワー」(各528円)など女性を意識したメニューもある(左)。テークアウト専用カウンターではシューマイと唐揚げが注文できる

今回取材した大宮店は20年12月オープンした。オープン直後は2フロア全75席が連日ほぼ満席になるほどの盛況ぶりだったという。2度目の緊急事態宣言により一旦客足は落ち着いたものの、「『焼売のジョー』の業態自体には手ごたえを感じており、現在は直営店のみですが、今後は全国に向けてライセンス契約店の展開も広げていく予定です」(井上さん)と話す。

シューマイ酒場という新たなトレンドが生まれつつあるのは、人が集まる機会が減り、大きなダメージを受けている外食業界にとっては一つの明るいニュースかもしれない。テークアウトやデリバリーもうまく活用しながら、ビールやハイボールを片手に楽しみたい。

(フードライター 古滝直実)


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