大泉洋 原作小説は自分がモデル、監督が決まり怖さも映画『騙し絵の牙』で雑誌編集長を演じる

日経エンタテインメント!

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三谷幸喜(『清須会議』)、原田眞人(『駆込み女と駆出し男』)、福田雄一(『新解釈・三國志』)ら名だたる監督と組んできた大泉洋。3月26日公開の主演映画『騙し絵の牙』は、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などで映画賞を席巻してきた吉田大八監督とのタッグ作だ。原作は、『罪の声』『歪んだ波紋』の作家・塩田武士が、大泉をイメージして“当て書き”した2018年の本屋大賞ノミネート作。大胆な発想と“人たらし”の才能を生かし、廃刊の危機を乗り越えようと奮闘する雑誌編集長・速水輝を演じている。

1973年4月3日生まれ、北海道出身。96年に演劇ユニット「TEAM NACS」結成。映画、ドラマ、舞台、バラエティと幅広く活躍し、『探偵はBARにいる』『駆込み女と駆出し男』などで日本アカデミー賞優秀主演男優賞ほか多くの賞を受賞した(写真:藤本和史)

「僕をイメージして小説を書くというお話をいただいたときは、大変、光栄なことだなと思いましたね。そして塩田さんから『出版社を舞台にしたい』と言われたんですけど、出版界って、僕みたいな違う業種の人間にとっては、よく分からない世界。『そのお仕事自体に興味を持てたり、知識欲がかき立てられるような本になるといいですね』とか、そういうような擦り合わせをした気がしますね。

映像化は各社いろんなアイデアがあって面白かったわけですけども、やっぱり吉田大八さんという存在は大きくて、『吉田さんが監督してくれるんだ~』と思った。僕が特に好きだったのは、『紙の月』。とにかく完成度の高い映画だなあと思ったし、最後の宮沢りえさんと小林聡美さんのお芝居の空気感や緊張感がすごかった。そしてそのお芝居は、役者が好き勝手にやって生まれるものじゃなく、監督が相当厳しく、演技の仕方や言い回しのネジを締めてるんだろうなとも感じました。だから大八さんに監督が決まったときは、『果たして、僕に応えられるのか?』という怖さが襲ってきて、正直ビビりました(笑)」

「謎の男」のさじ加減

吉田監督から渡された脚本は、原作と異なる部分が多かったという。「出版社を舞台に騙し合いが繰り広げられるところは共通してるんだけど、『ここまで変わるんだ!』っていうくらい原作から変わっていて。小説とは別の『騙し絵の牙 THE MOVIE』でした(笑)」。「自分が面白いと思えないと主演を務められない」と言う大泉は、そこから話し合いを重ねて、脚本を完成させた。

キャスティングは「大泉さんとの相性を考えながら」(吉田監督)行われ、ヒロインの編集者・高野恵役には松岡茉優を起用。そのほか佐藤浩市、國村隼、小林聡美、木村佳乃、中村倫也、宮沢氷魚ら豪華キャストを迎え、19年10月から約2カ月にわたり撮影を行った。

「現場には、本当に豪華で実力のある俳優さんたちが次々に現れる。しかも速水はほとんどの人と共演できるから、毎日楽しかったです。松岡茉優ちゃんとは何度か共演してるけども、ここまでしっかり共演したのは初めて。やっぱり勘の良い、賢い女優さんだなあと思いました。浩市さんともまたしっかり共演できたし、昔から好きな國村さんとも共演できてうれしかったな。宮沢氷魚君は、一瞬でファンになっちゃいましたね。カッコイイし、爽やかで、英語も超ネイティブ。現場では、それをいじって遊ばせてもらいました(笑)。

速水を演じる上で意識していたのは、あまり感情を出さずに、何を考えてるのか分からない男にすること。ただ、彼は人たらしの面も持ってるので、人を引きつける要素もなきゃいけない。出版界の人間として誰よりも熱い思いを持っているのも彼だったりするので、さじ加減が難しかったです」

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