私たちは、目標が近づけば近づくほど、それを達成したいという欲求や動機が強くなります。これを「目標の欲求勾配仮説」と呼びます。あと少しなら頑張りがきくわけです。

だとしたら、常に目標に近い状態にいると、意欲が途切れることが少なくなります。大きな目標を達成するには、すぐに達成できるスモールステップに分割しておくことが大事です。

そのために役立ててほしいのが「タイムマシン法」です。N年後の目標から、その半分にあたる2分のN年後、そのまた半分にあたる4分のN年後……と身近な目標を導きだし、最初の一歩を明確にしていく手法です。

未来は現在の延長線にない

今、私たちは先の見えない世界で悪戦苦闘しています。多くの方が、コロナ禍の後の世界はどうなるのか、今自分(自社)はどう行動すればよいか、を考えあぐねています。

おそらく、そこで使っているのは積み上げ思考だと思います。過去の知識や経験を元にして、現在の延長線に未来を見いだそうとしているのではないでしょうか。たとえば、かつてのスペイン風邪の話を引き合いに出したりして。

ところが、複雑で不確実で変化の激しい現代社会に100年前の話が通用するとも思えません。積み上げ思考で考えてしまうと、大胆な行動が取れなくなる危険性があります。

そんなときこそ逆算思考です。不透明な未来を予想(フォーキャスティング)するのではなく、自分たちが実現したい未来をしっかりと描き、そのために今何をすべきかを考えるのです。そうすれば、過去や現在の制約から解き放たれ、革新的なアイデアが出やすくなります。これが「バックキャスティング」です。

皆さんは、コロナ後の世界をどのようにしたいと望んでいるでしょうか。そのときに、どんな働き方や暮らし方をしようと考えているでしょうか。逆算思考を使って、これからの生き方を考える絶好の機会が今なのかもしれません。

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

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