ココアフラバノール 脳血管を活性化、認知機能も向上

日経Gooday

ココアに含まれるフラバノールを高用量摂取すると、脳の血管の機能が高まることが明らかに。(C)serezniy-123RF
ココアに含まれるフラバノールを高用量摂取すると、脳の血管の機能が高まることが明らかに。(C)serezniy-123RF
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ココアに含まれるフラバノールを高用量摂取すると、脳の血管の機能が活性化され、同時に一部の認知機能も向上することが、英国で行われた小規模な無作為化試験で明らかになりました。

フラバノールは、ポリフェノールのなかで最もよく知られているフラボノイド系化合物の一種です。緑茶の成分としてよく知られているカテキンやエピカテキン、エピガロカテキンなどがフラバノールに分類されます。フラバノールは緑茶のほか、ココア、ベリー、ブドウ、リンゴ、紅茶などにも豊富に含まれています。

これまでに、フラバノールを摂取すると手足などの末梢血管の機能が向上することや、加齢による認知機能の低下を防ぐ作用を持つ可能性が示唆されていました。そこで今回、米イリノイ大学のGabriele Gratton氏らは、若く健康な男性を対象に無作為化試験を行い、フラバノールが脳血管の機能と認知機能に及ぼす影響を調べることにしました。

フラバノールを多くとると、脳の「酸素化」がより強く起こる

試験に登録したのは、普段タバコを吸わず、脳、心臓、血管、呼吸器の疾患を持たない18人(18~45歳、平均年齢23.9歳)の男性です。若く健康な人々を選んだ理由は、フラバノール摂取後に何らかの変化が見られれば、フラバノールによる影響と見なせる可能性が高いからです。

まず、フラバノールの摂取が脳血管の機能に影響するかどうかを検討するため、対象者に二酸化炭素を5%(通常の濃度の100倍)含む空気を吸わせて、脳の血液中の二酸化炭素濃度がフラバノール摂取前後にどう変化するかを調べました。二酸化炭素濃度の濃い空気を吸うと、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、酸素濃度が下がります。このとき、健康な血管は、脳への血流を増やしてより多くの酸素を送り、二酸化炭素を追い出す(=酸素化)ことでこの事態に対応します。そうした変化がどの程度みられるかを観察したわけです。用いたのは機能的近赤外分光分析法で、これにより、脳の皮質部分の酸素化ヘモグロビン(酸素と結合しているヘモグロビン)と脱酸素化ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビン)の量を測定しました。

参加者は、最初に二酸化炭素を5%含む空気を吸い、この検査を受けました。続いて、フラバノール含有量が多いココア(高用量ココア、フラバノール681.4mg)またはフラバノールをほとんど含まないココア(低用量ココア、フラバノール4.1mg)を飲み、2時間後に再度同じ検査を受けました。さらに2週間以上経過した後に、初回に高用量ココアを飲んだ人には低用量ココアを、初回が低用量ココアだった人には高用量ココアを飲んでもらい、同じ検査を行いました。

その結果、検査を受けた17人のうち13人で、高用量ココア摂取の2時間後に5%二酸化炭素を吸入した後に、酸素化ヘモグロビンの量が大きく上昇していました。上昇幅は、低用量ココア摂取後に同じ実験をした場合の約3倍でした。また、吸入から酸素化ヘモグロビンの増加が始まるまでの時間は、低用量ココア摂取後より高用量ココア摂取後のほうが約1分短く、高用量フラバノールの摂取により、脳の酸素化の反応が、より強く、より素早く生じることが明らかになりました。このような反応の違いは、脳画像検査でも確認されました。

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