声の大きさや高さで熱意を示す

――キャスターの仕事を通じて得たリモート面接のヒントは?

「第一に、話すスピードを意識するとよいでしょう。テレビでアナウンサーが原稿を読むスピードはおおよそ1分に300文字。聞いて一度で理解できるスピードだと言われています。面接でもこの程度のスピードをベースに話すと、幅広い年代層の人が安心して聞けるでしょう」

相手が聞き取りやすい「ゆっくり、かつ丁寧に」の話し方がコツだという

「話し方としては『ゆっくり、かつ丁寧に』を心がけてください。オンラインでは特に、聴覚と視覚の情報のみが頼りです。リモートのデメリットであるタイムラグをどうカバーするかを考えた場合、早口で話すと聞き逃される部分が多くなってしまいます。ずっと同じスピードで話すのではなく、きちんと伝えたいパートは少しゆっくり話すなどの緩急も大事です」

「リモート面接では声の大きさも重要なポイントです。目の前のパソコンに話そうとすると、おのずと50センチメートル程度の距離にいる人に話す声になってしまいます。一方、自信があるように聞こえる声というのは、3メートル先にも聞こえる声。3メートル先を意識すると、声が自然と前に出ます」

「前を意識すると、声の高さやエネルギーも変わり、熱意が相手にも伝わりやすくなります。リモートは『熱意が表現しにくい』のが弱点なので、3メートル先を意識し熱意が伝わっていると、たとえネットの都合で少し途切れても熱は伝わっているはずです。話すスピードについてもそうですが、リモート面接ではネットの不具合もある程度想定した準備が必要だと思います」

――初対面の相手に、短時間でかつ画面越しに自分を印象づけるコツは何ですか。

「第一に、自己紹介です。これまでインタビューや取材で、のべ2万人近くの人にお会いしてきましたが、その中で特に印象に残っている人は100人にも満たないかもしれません。印象が残っている人に共通するのは、初対面での一言目に印象に残る言葉を発し『心をつかむコミュニケーション』をしているなと感じたこと。これはリアルでもリモートでも共通だと思います」

「こういった経験から、まず実践してほしいのは『7秒自己紹介』です。7秒はビジネスの場面で名刺交換にかかるおおよその時間。短いですが、最初の7秒で心をつかめないことにはどれだけ時間をかけても難しいでしょう。肩書きと名前に、印象的なキーワードを添えて挨拶すると相手の脳がイメージしやすくなるはずです。『人事一筋20年のCです』『DXのことならお任せください、Dです』といった具合です。相手が聞きたくなるようなキーワードを入れ、その後に会話が続くと成功と言えるでしょう」

「第2に顔の表情です。リアルの場合、ドアを開けたときから面接が始まっています。リモートでも相手が先に待機していた場合はオンラインになった瞬間の表情から見られていると思ったほうがよいでしょう」

次のページ
面接官が探しているのは「仲間」
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら