「ゆったりしたサイズ感のベストと組み合わせてみるのはいかがでしょう。その際は第1ボタンを開けて、首元を適度にすっきりと見せるのがポイントです。ビジネスカジュアルとして取り入れるなら、スラックスやノーカラージャケットと合わせるといいと思いますよ」

色違いのサックスをタックイン。上品な印象だが、ベストのサイズ感で遊び心も演出している
ビジカジでも使えそうなノーカラージャケットとのコーディネート

九州の伝統技術を味わう 隅々まで宿る職人の技

「トレンドを加味するなら、ゆったりしたシルエットは必須条件です。襟はレギュラーカラーか、バンドカラー(一般的な三角形ではなく帯状の短い襟)を選ぶのがいいでしょう」

熊本県を拠点に、主に九州地方の伝統技術を生かした日常着を手がけるブランドの一着。台襟なしのレギュラーカラーシャツは同ブランドの定番だ。生地は福岡県で織られたオリジナルの生地を採用。 SOWBOW / 蒼氓シャツRegular Collar 2万6400円

そう教えてくれたのは、東京都台東区の蔵前にある「WEEKENDERSHOP」の芹沢伸介氏だ。日本発ブランドSOWBOW(ソウボウ)の一着を薦めてくれた。

「ドレスシャツよりも繊細な、3センチの間に21針のステッチで仕立てられたシャツです。縫製にはパッカリング(ミシン目に沿ってできる縫い縮み)が発生しにくい糸を採用するなど、隅々までこだわりが感じられます。作りのよさにこだわる大人に着てほしい一着ですね」

有田焼を手がける工場が製作した陶器製のボタンもユニーク。縦横に入った織り柄もさりげないアクセントになる

タックイン、タックアウトそれぞれの着こなしに対応するシルエットも魅力だという。

「裾丈がやや長めに作られているので、タックインをしてもボトムスからずり上がりにくいです。『ボックスカット』という裾が丸みを帯びていない形状は、前ボタンをすべて開けるスタイリングとも相性がいい。よりカジュアルに使うなら、ジャケット感覚で羽織って着るのもおすすめです」

裾にスリットを入れることで、ポケットにスムーズに手が入れられる
素材感が際立つ、ゆったりとしたシルエット。季節感のある淡い色味のコーディネートも魅力的だ

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定番ブランドの希少モデル 生地選びにトレンド感