2021/4/7

「意識高い系と言われても気にしないで」

キャリアキャンプを設立した神谷潤さん。1985年生まれ、川崎市出身。2008年、法政大学卒業後、4社で会社員を経験。人事系コンサルティング会社や事業会社の人事を経て、2018年10月独立。現在では2社の法人の代表を務め、企業の人事コンサルティングや、人材会社の営業コンサルティングに従事=キャリアキャンプ提供

――様々な学びがあったのですね。主宰の神谷さんに伺います。そもそもなぜキャリキャンを設立したのでしょうか。

神谷 私のような苦い経験をしてほしくないからです。私はなんとなく就活をして、当時、第1志望だった会社から内定はもらえて入社をしました。しかし、入社後には心が病んでしまうほどの経験をしたのです。1年目の夏ごろには、会社に行こうとすると手足の震えと涙が止まらない。そして、「頑張りたいのに頑張れない」自分がいて、何のために生きているのだろう? 何のためにこの会社にいるのだろう? 何のために働いているのだろう?と問い続けたのです。

そんな思いを学生にしてほしくないと思い、学生のうちから社会人と接することで、働き方のリアルを学べる場をつくりたいと考えました。キャリキャンを通じて、社会人になり働くとはどういうことなのか、お金を稼ぐとはどういうことなのか、消費者から生産者に変わるとはどういうことなのか、ということを体験として学んでほしいと思っています。

――学生にはどんな力を身につけてほしいですか。

神谷 5点あります。「自ら学び、自ら問い、自ら答える力」「多様な価値観を受容し、違いを乗り越える力」「自ら機会を作り出し、チャレンジする力」「人としての当たり前のことを当たり前にやる力」「長期間、継続してやり抜く力」です。学生たちにいつも伝えているのは、「就活のためじゃなくて、成長のためにキャリキャンを最大限に生かすように」ということです。

――実際に学生は成長していますか?

神谷 自ら主体的に活動をしている学生は、劇的に成長をしています。例えばコミュニケーション能力が挙げられます。社会人や周囲の学生を巻き込み、作り上げることを体験するなかで、多くの学生や社会人から必然的にフィードバックをもらえます。就活の面接という限定的で形式的な関わりでは身につくことはない、柔軟なコミュニケーションです。

――学生へのメッセージをお願いします。

神谷 まずは自信を持って語れる何かを学生時代に作って下さい。学業や部活動、サークル活動でもアルバイトでも、なんでもいいです。他人からの評価も気にしなくていいです。次に、周囲に流されないことです。あなたが大事にしたいことを大事にして下さい。大学生活の過ごし方や、就職活動、キャリアに決まった正解は存在しません。意識高い系と揶揄(やゆ)されるかもしれませんが、ショゲずに、周囲に流されずに、自分の心に正直に生きてほしいなと思います。

◇  ◇  ◇

学生のうちに作り手側の経験をつめることは、何よりの財産になります。うまくいかないことを経験するから次に生かせるのですね。そうした経験は自信にもなります。悩んで何もしないうちは、何も身につきません。動き出して、作り手側にまわり、経験を積み重ねる。松原さんの行動には、学生のみんなに参考にしてほしい成長のサイクルがあります。

「就活のために何をしたらいいか」とよく聞かれますが、就活の正解を求めすぎないでください。いろんなチャレンジをし続けることです。なんでもいいからやり切ること。これが大切です。

田中研之輔
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員。2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を19社歴任。著書に「プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」(日経BP社)、「ビジトレ―ミドルシニアのキャリア開発」(金子書房)など
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