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海外で人気の3種。左から純米大吟醸「絹の味」、純米吟醸「天鵞絨(ビロード)の味」、純米「風凛美山」

同社の海外輸出は売り上げの約6%を占めるが、輸出先のメインは東南アジア。中国・台湾・香港を中心とした中華圏には、社長自ら中国語を学ぶなど積極的に取り組んでいる。一方で、ブランディング先としては欧米、特にフランスに注目し、今回のデュカス氏とのコラボが実現。今後、フランスを中心に欧州をはじめアラン・デュカスのレストランがある香港やシンガポール、ニューヨークなどで「七賢」ブランドの認知度アップを期待する。

中華圏では「七賢(チーシェン)」の名で、欧米では「seven wisdom(7つの英知)」の名で親しまれている同社だが、現在のところ海外で人気なのは純米大吟醸や純米吟醸、純米酒の3種。「これら3種が人気なのは技術の高さに加え、価格競争力もあるから。これらとはまた別のカテゴリーで、スパークリング日本酒の輸出にも積極的に挑戦していきたい」。いずれは海外輸出が売り上げの5割を占める時代がやって来るはず、と北原社長は将来を見据え、青写真を描く。

白州の蔵として300年続く伝統を守る「七賢」

コロナ禍の影響を受けているのは同社も例外ではないが、北原社長は動じない。「これまで新幹線に乗っているような人生だったが、コロナ禍で普通列車に乗り換えた気分。中国への社員派遣が保留になるなど影響はあるが、戦時中と比べれば、よっぽどマシ」と冷静に分析。「私はあと約30年、会社人生が続く。その30年のうちに、また同じような危機が来るだろう。今回の経験をそのときに生かしたい」と話す。

約300年続く蔵元の13代目は、凛(りん)として前を向く。白州のテロワールを生かした、みずみずしさにあふれ、柔らかく透明感がある酒造りの伝統を継承しつつ、未来に向けた革新を忘れない。

(国際きき酒師&サケ・エキスパート 滝口智子)


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