PFUスキャナー「iX1600」 無線設定変更に改良余地
今回の目利き 森谷健一氏
PFUは2021年1月に個人及び少人数部署向けのドキュメントスキャナー「スキャンスナップiX1600」を発売した。2018年10月発売の前機種「iX1500」の後継となるフラッグシップモデルだ。スキャン速度を約3割アップ。600dpiでの読み取り時、A4原稿なら毎分40枚80面をスキャンする。
パソコンとの接続はUSBケーブルまたはWi-Fi経由で行う。Wi-Fiは5ギガヘルツ帯にも対応するので、無線接続機器が多い環境でもデータ転送は安定しやすい。専用アプリをスマホに導入すれば、スキャン結果をスマホに取り込める。あらかじめ設定しておけば、パソコンがなくても専用クラウドサービス経由で各種オンラインストレージへの保存に対応。
本体には操作パネルとして、4.3型液晶ディスプレーを搭載。感圧式だが、感度はいい。スキャン前にスキャン設定や保存先などをまとめたプロファイルを選択するが、操作パネルからプロファイルを一時的に変更できるのは便利だ。
スキャンしたデータは、パソコン向け専用ソフト「スキャンスナップ・ホーム」で管理するが、プロファイルを変更すれば他のファイル同様にパソコンに直接保存できる。データの命名規則は大きく分けて3種類用意されているが、いずれもやや柔軟性に欠けるのが残念だ。
最も気になったのが、無線設定の変更時だ。USBケーブルでの接続が必要なのは仕方ないとしても、失敗したときにどの段階まで戻ったかが不明であるなど、専用ソフトには改善点がある。初回接続時の設定も初心者は難しいと感じそうだ。
価格は大手通販サイトで4万6000円前後。高速・高品質なスキャン結果が必要なら、本製品以外を選ぶ理由はない。同時発売の「iX1400」は3万9000円前後で、USBケーブル接続のみ対応、操作パネルはなく、スキャン開始ボタンのみ搭載。安定接続重視、使用時はパソコンと必ず接続するなら、こちらを選んでもいい。
(テクニカルライター)
[日経産業新聞2021年3月18日付]
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