2021/4/11
エンジンは2.9リッターV6ツインターボ。450PSの最高出力と600N・mの最大トルクを発生する

最新のアウディRSシリーズを支えるエンジンは、事実上ミドシップの「R8」専用となってしまった5.2リッターV10を例外とすれば、大きく3種類となる。末っ子が横置き用の2.5リッター5気筒ターボで、このRS 4が搭載するのはそのひとつ上となる2.9リッターV6ツインターボ。さらにその上に4リッターV8ツインターボが控える。

2.9リッターV6はその上の4リッターV8とともに、「パナメーラ」や「カイエン」、さらに一部の「マカン」など、フロントエンジン系のポルシェと共用される。こうした例はフォルクスワーゲングループにかぎったことではなく、高級スポーツカーやラグジュアリーカーの世界でも、各社の技術資産がときに資本関係すら超越して効率よく使い回されるのが昨今の常識だ。で、アウディとポルシェの間でも、V8は基本的にポルシェが開発を主導したのに対して、V6の開発はアウディ主導と公言されている。好事家としては“ポルシェ開発”というウンチクにグッと引かれるのも事実だが、ここは「エンジンの出自も含めてアウディ純血」であることを尊ぶのがRS 4乗りの正しい姿勢だろう。

さまざまな機能のインターフェイスを担う、10.1インチのカラー液晶ディスプレー。操作はタッチパネル式で、画面に指で触れて行うようになった

洗練された2.9リッターV6ツインターボ

この2.9リッターV6ツインターボは、そうした出自うんぬんを横においても、性能と洗練性がバランスした好エンジンである。

ドライブモードを全項目が全開制御となる「ダイナミック」にするか、個別設定でエンジン音を「プレゼンス」に設定すると、サウンドは「RSスポーツエキゾースト」とスピーカー音によって全域で乾いた快音に豹変(ひょうへん)し、変速は明確にガツンと速く、そこに変速時の盛大なブリッピングとスロットルオフでのアンチラグ音までが加わって、まさにお祭り騒ぎと化す。

いっぽう、ドライブモードを「コンフォート」に、あるいはエンジン音を「クワイエット」に設定すると、今度は驚くほど静かになるのが、いかにも最新スポーツモデルにしてオールラウンド性を売りとするRSらしいところでもある。とくに8速で2000rpmを大きく下回る100km/h巡航などでは「無音?」と錯覚するほどだ。これはエンジン音に加えて、タイヤ音や風切り音の小ささも印象的。……と思ったら、前席横のアコースティックガラスが標準化されたのが、今回の数少ない明確な改良点だった。

V6ツインターボは低回転から十分に柔軟ではあるが、ただのフラットトルク型でもない。2000rpmくらいからジワリと力が出はじめ、4000rpm付近から明確に音が変わると同時に一気に反応もよくなる。そして5000rpmくらいになると、乾いた武闘派サウンドを伴いながらさらに勢いを増す。パンチ力は6000rpmくらいでアタマを打つ感じだが、マニュアルモードのまま油断していると無意識に6800rpmのリミッターに当たってしまうほど、回転上昇はスムーズだ。

これと比較すると、弟分の5気筒ターボは、ビリビリとした独特の振動によくも悪くも過剰感がただよい、V8ツインターボは気が遠くなるほど速い。RS 4はまさしくその中間的存在で、エンジンフィールは洗練されており、車体やシャシーはその高速性能をクールに御しきっている。

フルデジタルメーターの「アウディバーチャルコックピット」には、ブースト計やパワー/トルクメーターなども表示される、「RS」モデル専用の画面レイアウトも用意される
刺激的なサウンドを放つ「RSスポーツエキゾーストシステム」。19万円のオプション装備で、グロスブラックのテールパイプも特徴となっている
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