――3社目はゲーム会社ドリコムに入社。手応えはどうでしたか。

 ゲーム開発を行う事業部で、予算の策定や業務の見直しなど経営企画の仕事に携わりました。職務内容がコンサル時代にやっていたことと近かったので、幸いにも前向きな気持ちで取り組むことができました。

何となく次の職場を決めてしまって失敗する人は多い

 ただ、成果を上げても、組織や売り上げの規模が大企業ほど大きくないので、ポジションが少なく、役職や給与は上がりにくい。そんなベンチャー企業特有の組織体制に停滞感を覚えるようになり、長続きはしなかったんです。やはり、転職前の検討不足が否めません。漠然とした不安や後ろ向きの感情に突き動かされ、その場の流れで何となく次の職場を決めてしまったという点では、1回目の転職と同じ失敗ルートをたどっていたと思います。結果として、年収も下降傾向に。こういうビジネスパーソンは多いように思います。

「どんな貢献できるか」を第一に

 ――後ろ向きの感情を動機にした転職がうまくいかないのはなぜでしょうか。

 転職する個人と企業、両方に課題があると思います。

 まず個人は、自分が転職先の企業に対して「どんな価値を提供できるか」「どんな貢献ができるか」ということを第一に考えなければなりません。その対価として、給与をもらうわけですから。「とにかく今の職場から抜け出したい」という思考で頭がいっぱいになると、その視点が抜け落ちてしまいがちです。

 そういう求職者は企業側が不採用にすればいいと思うかもしれません。しかし、限られた選考スケジュールの中で、「本当に活躍できる人材なのか」を見極めるのは難しい。さらに、中途採用の募集をかけるときというのは、企業側も人手が足りなくて切迫した状況に置かれていることもよくあります。

 こうした事情が重なると、入社後のミスマッチが起こります。

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