世界初のフルカーボンボディー 14型PCの「VAIO Z」

日経クロストレンド

VAIOの14型モバイルノート「VAIO Z」。直販モデルはスペックを選択して購入できる。同社VAIOストアでの価格は27万2580円(税込み)から
VAIOの14型モバイルノート「VAIO Z」。直販モデルはスペックを選択して購入できる。同社VAIOストアでの価格は27万2580円(税込み)から
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パソコンメーカーのVAIO(長野県安曇野市)は2月18日、14型モバイルノート「VAIO Z」を発表した。同社のフラッグシップモデルで、世界で初めて立体成型のカーボンファイバーをボディー全体に採用し、1キログラムを切る軽さと頑丈さを両立させた。冷却性能を高めて高性能なプロセッサーを搭載し、バッテリーも34時間の長時間駆動を誇る。同社VAIOストアでの価格は27万2580円(税込み)から。

「VAIO Z」最大の特徴である立体成型のカーボンボディーは、東レとの共同開発によるもの。最軽量モデルの重さは958グラムで、14型モバイルノートとしては軽い。VAIOはモバイルノートで主流のマグネシウム合金より軽く頑丈だとしている。

モバイルノートのボディーにカーボンファイバーを使用するのは珍しくないが、立体成型が難しいため液晶天板などの平面に限定して使用するのが一般的だった。VAIO Zでは液晶天板から側面や底面に至るまで、ボディー全体をカーボンファイバーで構成している。

ボディー全体を立体成型によるカーボンで構成することで、軽さと頑丈さを両立した

CPUにはインテルの第11世代Coreプロセッサーの中でも高性能なH35シリーズを搭載。ゲーミングノートPCやクリエイティブノートPC向けのCPUで、一般的なモバイルノート向けのCoreプロセッサーより処理性能は高いが、発熱量も大きいため大型の冷却装置が必要になる。フルカーボンボディーにより冷却装置を含めた全体の重量を抑えたことで、軽く頑丈で、かつ処理性能の高い製品を実現した。

記憶装置には第4世代PCIe対応の高速なSSDを採用。拡張端子にはThunderbolt 4に対応したUSB Type-Cを2基備えるなど、最新スペックに対応している。5Gによる通信機能を搭載したモデルも用意する。セキュリティーを高める生体認証機能は、指紋認証と顔認証の両方に対応する。人感センサーを搭載し、ユーザーが着席したことを感知して自動ログインするなどの機能も備える。キーボードはストロークを1.5ミリと深めにすることで打鍵感を高めたほか、部材を見直して静音性を向上させた。

処理性能の高いCPUを搭載するため、大型の冷却装置を搭載。バッテリーも薄型軽量で大容量のものを搭載している

バッテリーは薄型軽量で大容量のものを新たに開発した。駆動時間は液晶ディスプレーがフルHDのモデルで最大約34時間、4Kのモデルで最大17時間で、モバイルノートの中でも長い。電源のない場所で丸1日使っても、バッテリー切れの心配はなさそうだ。付属のACアダプターは半導体にGaN(窒化ガリウム)を採用することで、164グラムと小型軽量にして持ち運びやすくした。

VAIOの山本知弘社長は、米アップルが独自のM1プロセッサーを搭載して2020年11月に発売した「MacBook Pro」を挙げ、「M1プロセッサーは消費電力とコンピューティングパワーの均衡を打ち破るブレイクスルーを成し遂げた。我々の立体成型フルカーボンボディーもモバイルコンピューティングにおける速さ、スタミナ、強靱(きょうじん)さ、軽量性の均衡を破るブレイクスルーを実現させている」と製品に自信を見せた。

最新スペックを満載したVAIO Zで、同社はオンリーワンに挑戦するイノベーターや、世の中の課題解決のために活動したり創造したりすることに挑戦する人たちを狙う。家電量販店でも販売するほか、体験型ショップ「b8ta(ベータ)Tokyo-Yurakucho」でも展示する。

VAIO Zを手にする、VAIOの山本知弘社長

グローバル展開も行う。VAIOは14年にソニーから独立した直後は海外市場から撤退していたが、15年より再び進出している。北米、南米、欧州、アジアなどでパソコンを販売しており、現在は販売台数の約5割が海外での販売だ。VAIO Zをグローバル販売のフラッグシップモデルと位置づけており、北米でもb8taでの展示を行う。

VAIO Zの前モデルは16年発売で、今回は約5年ぶりの新モデルとなる。軽さと性能を両立した日本発のモバイルノートとして世界にアピールできるか。VAIOの挑戦が始まった。

(ライター 湯浅英夫)

[日経クロストレンド 2021年2月25日の記事を再構成]

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