(4)AIに負けない力が身につくから

AI(人工知能)は、人々の仕事を代替していくと考えられています。

『AIvs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)の著者で、一般社団法人教育のための科学研究所の新井紀子所長は、「AI(人工知能)に代替されない人材であるために必要なのは、読解力である」と述べています。

読解力とは、情報を正確に読み解く力のことです。

AIの弱点は、「文章を深く読む力」に限界があることです。AIは、長さのある論理的な文章(報告書やプレゼンテーション資料など)を書くのが苦手です。

読解力を必要としない仕事、たとえば、データ入力などの単純作業は、AIやロボットによって代替されるかもしれません。ですが、「読解力が必要な仕事」は、今後も人が担うことになります。

では、どうすれば読解力を身につけることができるのでしょうか?

「文章を書く」ことです。

文章のプロの多くが、「読解力をつけるには、長い文章を書くトレーニングが必要」と考えています。

(5)文章力は「人を動かす力」(影響力)だから

文章は、読み手の人生を変えるほどの強い影響力を持っています。商業メディアはもちろん、個人が発信するブログやSNS、あるいはビジネスメールやプレゼン資料にも、それに目を通した人の心と行動を変える力あります。

文章力を身につけることは、「人を動かす力の使い方を学ぶこと」です。

人を励ましたり、勇気づけたり、元気にするために言葉を使う

僕が編集のお手伝いをさせていただいた『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)の著者で、「大叢山福厳寺(だいそうざん ふくごんじ)」の大愚元勝住職から、「愛語」という禅語を教えていただきました。

愛語とは、「心のこもったやさしい言葉」「親しみのある言葉」「愛情のこもった言葉」のことです。

「人を思いやる言葉」=「愛語」が使える人が増えれば、あたたかみのある平和な社会になるのではないでしょうか。

「人を非難したり、傷つけたり、差別したり、中傷したり、炎上させるために言葉を使うのではなく、人を励ましたり、勇気づけたり、元気にするために言葉を使ってほしい」。僕と小川は、そう願っています。

文章力が身につくと、「ポータブルスキル」「コミュニケーション力」「論理的思考力」「読解力」「人を動かす力(影響力)」の5つの力を身につけることができます。

書くのが苦手だとしたら、その原因は、文才がないからではなく、「書き方」を教わっていないからです。

「書き方の基本的なルール」さえわかっていれば、誰でも文章力を伸ばすことができるはずです。

ぜひ「書くこと」を楽しんでください。

藤吉豊
 文道代表取締役。有志4人による編集ユニット「クロロス」のメンバー。編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。自動車専門誌2誌の編集長をへて2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。インタビュー実績は2000人以上。 06年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。
 本書の共著者である小川真理子は、同じ編集ユニットのメンバー。

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

著者 : 藤吉 豊、小川 真理子
出版 : 日経BP
価格 : 1,650 円(税込み)