しかしリモート環境ではMBWAは実行できません。となると、その補完となるような雑談の機会を、評価される側から持つようにした方が望ましいのです。
そうすることでコミュニケーションが補完されるだけでなく、評価者との親密性も自然に高まる効果があります。
チームメンバーとの交流を絶やさない
3つ目のポイントは、リモートで陥りがちな、一人作業にはまらないようにすることです。できる限り、他のチームメンバーと交流しながら作業を進めてゆきましょう。
たとえば自分が作った資料についての意見をもらう機会を設けるとか、営業活動後の振り返りミーティングを10分だけでも設けるとか。
チームメンバーと交流しながらの作業については、メンタル面での改善だけではない効果があります。
それは「評判」を確保できるようになること。
成果のアピール、上司への自発的コミュニケーションなどの活動は、自己主張が強くなりがちです。そうなると、これまで和を重んじてきたような組織では、少々「うるさいやつ」という印象を持たれてしまうかもしれません。
そうなった場合に、評価する側は、周囲の第三者に評判を聞くようになります。しかしそこでもよい評判が聞けるようになれば、上司は安心して高い評価を付けられるようになるのです。
上司の立場を想像しながら評価の仕組みを理解する
混乱した1年の中で上司もまた評価に苦労しています。
そんな中で、上司の立場を想像し、評価に関して必要な情報を、評価を受ける側から提示することは大きな助けになります。
それは今目の前の評価結果を改善するだけでなく、皆さんがいち早く出世してゆくための視点の引き上げにもつながります。
ぜひ日々の活動の中で、3つのポイントを踏まえた活動を心掛けてみてください。
平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。
