国際物理五輪に7年連続 大阪星光学院、強さの秘密大阪星光学院中学校・高等学校(中)

物理部の活動風景(学校提供)
物理部の活動風景(学校提供)
物理や化学の「オリンピック」と呼ばれる国際大会で目立った成績を挙げる大阪星光学院中学校・高等学校。同校はあえてスーパーサイエンスハイスクールに申し込まず、ハイレベルな結果を出し続ける。世界レベルの理系生徒を育てる背景を、おおたとしまさ氏が探った。

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あえてSSHは見送った

大阪星光学院の物理部は2013年以降7年連続で国際物理オリンピックに出場し、しかも必ず銅メダル以上を獲得している。16年には金メダル。直近の19年には銀メダルだった。国際物理オリンピックに出場するには、日本国内で行われる全国コンテストの物理チャレンジで上位入賞しなければならない。

学校としてスーパーサイエンスハイスクール(SSH)への申請を検討したこともあったが、予算をもらうために膨大な量の書類を作成して文部科学省に提出して、しかも毎年その「成果」を求められるようなしくみに乗っかることに意味があるのかという話になり、見送った。お金をもらうより、そのためにかかる時間や手間を直接生徒たちのために使ったほうが良いと判断した。それでもSSHを凌駕(りょうが)する成績を残しているのだ。

物理の実験が僕たちの青春

物理部の田中仁さん(高3)、松本昂征さん(高3)、宮崎陽人さん(高2)、小林悠大さん(中2)に強さの秘密を聞いた。

――なぜ物理部に入ったのか。

田中 中学の間、僕はずっと185人中180番くらいの成績でした。でも高1で1回だけ物理のテストでいい点数がとれました。それで物理を頑張ろうという気持ちになったときに榎村先生が声をかけてくれたんです。

宮崎 中2のときに榎村先生が「物理チャレンジに興味があるひとは物理部に来てください」とアナウンスされていて、世界大会に行った先輩もいることを知っていたので、自分も参加してみようと思いました。

小林 中1のときに、担任の先生が榎村先生を紹介してくれたことがきっかけです。もともと中学受験勉強のなかでも物理分野の問題が好きでした。

松本 中1のころから榎村先生から誘われていたんですが、中3でさらに先輩の誘いを受けて入部を決めました。物理とは、世の中のあらゆることを数式で表す学問だといえると思うのですが、この学校には数学が得意な生徒が多いので、多くのひとにチャンスが開かれていると思います。

――普段はどんな活動をしているのか。

松本 僕らの代は理論の話をしていることが多かったですね。でも(理科・数学・情報の競技を行う)「科学の甲子園」や、「物理チャレンジ」の予選開催前はその課題に取り組みます。

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化学部も各種大会の上位入賞
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