■7位 あんこの本 300ポイント
姜尚美 カラー写真、ふんだんに

きんつばや水ようかんなどあんこがたっぷり詰まったエッセー本。食感や甘い味が魅力のあんこ。名店のこだわりを丁寧な筆致で描写している。「コロナが落ち着いたら、行きたいお店ばかり」(伊集理予さん)

あんこグルメのカラー写真をふんだんに掲載。「続・あんこへの道」では、中国やベトナムなどを旅して食した現地のあんこグルメなどを紹介する。

「後半にある『あんこの栞(しおり)』が使える」(平田さん)。うんちくなどが紹介されており、「あんこ好きにとってはバイブルとも呼ぶべき1冊」(竹田勇生さん)との声も。

(1)文春文庫(2)935円(3)18年(文庫)

■8位 ごはんぐるり 290ポイント
西加奈子 親しみやすい文章

食べたいものを好きなように味わう日々を、直木賞作家が親しみやすい文章でつづった。「食べるって楽しい! おいしい! という気持ちがダイレクトに伝わってくる」(藤村さん)

チェーン店以外での「ひとりメシ」の克服を目指す「ひとり寿司」や、センスのいい注文を独自に分析する「オーダーの正解」など30以上のエッセーや小説、対談を収録する。4~5ページ程度のコンパクトな作品が多く、隙間時間に読むのもいい。

「文章で食欲が刺激される、食エッセーの醍醐味を凝縮したような1冊」(萩原さん)との見方も。

(1)文春文庫(2)638円(3)16年(文庫)

■9位 魚の水(ニョクマム)はおいしい 270ポイント
開高健 世界の料理、精緻に描写

昭和を代表する作家、開高健のエッセー集。サブタイトルが「食と酒エッセイ傑作選」であり、世界の様々な土地に根付く食材や料理などを精緻な筆致で描写する。著者の豊かな教養も文章に厚みを加える。

表題作ではベトナムにある店の麺料理やニョクマムが有名というフーコック島などについて熱く語っている。ニョクマムとは魚を塩につけて発酵させた調味料。「目に浮かぶような描写で、旅行に行った気分になれる」(木幡さん)

50~70年代に初出の作品が収録されていて、時代の雰囲気が感じられる。

(1)河出文庫(2)968円(3)20年(文庫)

■10位 ウマし 260ポイント
伊藤比呂美 巧みな比喩交え軽快に

詩人によるグルメエッセー。ドーナツやパンケーキ、そば、デコポン、うなぎなどさまざまな食べ物にまつわる記憶を巧みな比喩も交えながら軽快な筆致でつづる。「食へのこだわりや執念に圧倒される」(浜本さん)

締め切り前に儀式としてエナジードリンクを飲んだり米国生まれのスナック菓子を味わったりするなどジャンクフードの魅力も語る。「深夜にラーメンを食べているよう。罪悪感と満足感を得ると同時におなかもすく」(梅田さん)。苦手な食べ物についても語っているが、「嫌みなく伝わってくる」(飯田さん)。

(1)中央公論新社(2)1540円(3)18年(単行本)

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