継がれる技と材料 「用の美」が魅力
「伝統的工芸品」とは、伝統工芸の総称ではなく経済産業大臣が指定した製品のことで、1月末現在で全国に236品目ある。製品の主要部分が職人の手作りで、100年以上前から続く伝統的な技術と材料で作られている。一定地域である程度の産業規模があることも条件。生活に豊かさと潤いを与える上質な日用の工芸品だ。
東京都港区には伝統的工芸品産業振興協会が運営する「伝統工芸 青山スクエア」がある。全国の伝統的工芸品約150品目、約5千点を常時展示・販売している。朝川和彦店長は伝統的工芸品の魅力について「飾って眺めるのではなく、あくまで生活の中で使っていただくもの。手ごろな値段で買える製品も多く、直して使い続ける『用の美』にその価値があります」と強調する。
各産地で深刻なのが後継者不足だ。同協会では、高度な技術を持つ職人を「伝統工芸士」として認定し、担い手を支援している。ものは人がつくる。ものづくりの文化が詰まった美しい品を、いつまでも手にしたい。

■ランキングの見方 問題文、数字は1000人中の正解数、選択肢。写真は1~4位、7、8、10位、「これが解けたら名人」の問1京うちわは「伝統工芸 青山スクエア」で三浦秀行が撮影。5位沖縄観光コンベンションビューロー、6位岩槻人形協同組合、9位小千谷観光協会、これが解けたら名人の問1丸亀うちわは香川県丸亀市、房州うちわは千葉県館山市、問2伝統的工芸品産業振興協会の提供。
■調査の方法 伝統的工芸品産業振興協会と日本観光文化協会の協力で伝統的工芸品の設問を24問作成。1月中旬にインターネット調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)を通じ、全国の20~70代の男女1000人が解答。
(生活情報部 大久保潤)
[NIKKEIプラス1 2021年2月13日付]