市販ポリ袋の店頭販売が好調 レジ袋より高いのになぜ

2020年7月にコンビニやスーパーのレジ袋の有料化が義務化され、半年がたちました。店頭で販売されているポリ袋の売り上げが好調です。グラフはスーパーなどで売られている取っ手付きポリ袋Mサイズ(50枚入り)の店頭価格です。有料化前後から値上がりしているのがわかります。一番高い8月の値段は248円でした。コンビニでレジ袋をつけてもらうと1枚3円。一方、販売されているポリ袋は1枚あたり4円~5円ほどと高いですが、こちらが人気ということです。

50枚セットで1枚あたり4~5円

一見、不思議なこの現象はレジ袋をゴミ袋として使う家庭が多いのが理由です。ポリ袋大手の日本サニパック(東京・渋谷)が昨年9月にインターネット上で実施したアンケートでは、レジ袋の二次活用法について、「ゴミ箱の内袋として利用」「家庭のゴミ箱の代わり」が多くを占めました。家庭でごみ袋として利用する人がかなり多いことがわかります。

同社の調査によると1週間に使うレジ袋の枚数は平均3.6枚。子どものいる世帯の平均は5.2枚とさらに多くなります。有料化に伴い店頭でレジ袋を受け取らない人が増えた結果、家庭内ではレジ袋の不足が深刻になり、とって付きポリ袋の購入が増えたという実態が浮かび上がります。

売上高は2倍以上に

実際に有料化後の昨年7月以降の売り上げを見ると売上高は前の年と比べで2倍以上が続いています。通常、ポリ袋は売り上げが大きく変動することはない商品です。有料化後の伸びが異常なことがわかります。

それでもポリ袋全体の消費量は減っています。原料となる「高密度ポリエチレンフィルム」の出荷をみても、有料化以降は前の年と比べて30%前後の減少が続いています。

最近のポリ袋の値段を見てみると、元に戻りつつあります。有料化により一時的に需要が増えて品薄になっていたのが解消されています。ただ、年明けに2度目の緊急事態宣言が発令され、家庭内での飲食が増えています。ゴミの総量も増えているため、再度品薄になり値上がる可能性も考えられます。

有料と無料の違い

コンビニやスーパーでゴミ袋が有料化されていますが、飲食店などでお持ち帰りをする際に提供されるレジ袋は無料で出しているところもあります。この違いはなんでしょうか。じつは紙の袋や環境にやさしい素材でつくられた袋は有料化の対象外となっています。そもそも有料化は環境対策が狙いなので環境に負荷の少ない袋は規制から外れているのです。

無料で提供されるレジ袋には3つの特徴があります。(1)繰り返し使えて、使い捨てになりづらい、厚さが0.05ミリ以上のもの(2)海の中で分解することができる、海洋生分解性プラスチックを100%配合したもの(3)燃やしたときに二酸化炭素を増やさないバイオマス素材、バイオマスプラスチックを25%以上配合したものです。

消費者の環境意識の高まりからエコバッグが急激に普及しています。環境省が去年実施したインターネット調査によると、昨年3月時点で30%だったのに対し、11月になると71.9%と倍以上増えています。エコバッグを常に携帯すると回答した人が半数以上いました。

最近はファッションに合わせて、いくつか持っている人もいますよね。コンビニでの利用も増えたため、小さいサイズのものや背負えるリュック型のものも出ています。単価は1000~2000円といったところです。環境対策が本来の目的なので、あまり値段を問題にする人も多くないようです。ただ、何種類も持つとお金がかかるというのは事実です。レジ袋1枚3円で計算すると、週2回買い物に行く人が1回の買い物で2枚使用した場合は年624円になります。今のエコバッグの相場に比較すると、元を取るのには2~3年かかる計算になります。用途によって分けるのもいいが、持ちすぎると家計にはエコでなくなりますね。

(BSテレ東日経モーニングプラスFTコメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。
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