藤士:では、実際に「組み合わせた効果」も見ていきましょう。図2では、国内株式だけと、それに加え、それぞれ国内債券と外国株式を50%ずつ組み合わせた資産の値動きを比較してみました。磨音さん、3つの値動きで何か気づきませんか?

磨音:組み合わせることで、国内株式だけのときよりも値下がりが抑えられていますね! ただ、外国株式との組み合わせだと、あまり代わり映えしないみたいですね。

藤士:国内株式と外国株式の組み合わせは違った動きの組み合わせではないため、「分散」効果が薄くなっています。国内債券との組み合わせは値下がりが抑えられた半面、国内株式だけよりもリターンも抑えられていることにはなります。

磨音:じゃあ、色々な種類の投信をたくさん組み合わせるほどよいということですか?

藤士:いえ、そうとも言えないんです。手当たり次第分散していると、一見、投信の種類としては分散されているように見えても、実際には全然分散が効いていないことにもなりかねません。そのため、自分が中身を把握できる程度に抑えた方がよいでしょう。

磨音:多ければいいってものでもないんですね。今回のレッスンで老後資金が目的のアセットアロケーションをイメージしてみました。初めての投資なので少しドキドキしますが、リターンも得たいので半分を株式にして毎月コツコツ投資していこうかなと思います。

藤士:アセットアロケーションが見えてきましたので、次回はいよいよ投信選びのポイントをお伝えしていきますね。

■藤士のワンポイントアドバイス
外国株式や外国債券を運用対象とする投信は、単に「外国」というだけでなく、投資対象がさらに絞り込まれていることが名称からわかるものもあります。外国株式の場合は、以下のような分類がよく見られます。なお、投信を運用する際に連動を目指したり、投資成果を比較したりするために用いられるものが「指数」です。国内株式でいうところの日経平均株価や東証株価指数です。
【先進国株式】
よく使われる指数はMSCIコクサイ・インデックスで、構成比は米国が68%と3分の2超を占めています。「外国株式」という名称の投信も基本的にこのタイプです。
【新興国株式】
よく使われる指数はMSCIエマージング・マーケット・インデックスで、構成比の上位はケイマン諸島(多くが中国企業)24%、韓国13%、台湾11%、中国10%、インド9%となっています。
【全世界株式】
よく使われる指数はMSCI オールカントリー・ワールド・インデックス(除く日本)で、上記2つを先進国86%と新興国14%の割合で組み合わせたものです。
※構成比は各指数に連動を目指す投信の20年12月末時点の月次報告書をもとに小数点以下を四捨五入しています。

「老後のためにも、若いときから投資・資産運用を」とよくいわれますが、初めての人にとってはわからないことだらけ。様々な疑問について会話形式でやさしく解説します。

■中里邦宏
ファイナンシャルプランナー(CFP)、マネーディアセオリー株式会社取締役副社長。上場メーカーで設計担当後2004年にFP事務所を開業、16年に法人設立。顧客が納得するまでシミュレーションを繰り返すライフプラン相談を中心に、資産運用教育、ライフプランツールのプランニング、ロジック提供なども手がける。日本証券アナリスト協会検定会員、1級FP技能士、DCプランナー1級。