日本経済、沈没せず 「コロナで全部ダメ」なんて幻想マネックスグループ社長 松本大氏(1)

松本大 マネックスグループ社長
松本大 マネックスグループ社長

マネックスグループ社長の松本大氏は金融の世界で、早くからインターネットに注目。外資系企業を退職してネット証券を立ち上げた後、業容を拡大して日本のネット金融業をけん引する役割を果たしてきました。松本氏が自身の経験から得たビジネス論を若い人に伝えるインタビュー企画です。1回目はこれからの時代のビジネスについて、経済情勢の見通しとともに語ってもらいました。

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「これからのビジネスがどう動くか」の前に、今年の経済動向を私がどう見ているかをお話しします。ビジネスは経済情勢に合わせて変化するからです。

今後の経済情勢はとても見通しにくい、というのが私の本音です。ただ、「日本の経済が大きく沈んでしまう」という状況になるとは考えていません。日本経済としてみれば、そう大きくはへこまずに回復に向かうのではないかと思います。

経済情勢が見通しにくいのは、新型コロナウイルスの今後が読み切れないためです。でも、そもそも新型コロナのワクチンの効果がどのくらいかが予測できないのが現状です。ワクチンの効果が高くて、世界で順調に接種が進めば、世界経済も比較的早めに通常の状態を取り戻すことができる、これが1つ目のパターンです。もう1つはワクチンの性能や製造過程などに問題があって、スムーズに接種が進まなくなって経済の回復が遅れてしまう。どちらになるか全く読めません。

テクノロジーでコロナ禍を克服

ただ、現在世界的に経済が停滞気味なのは、ファンダメンタルズが主な要因ではありません。新型コロナのワクチン開発など、テクノロジーが解決してくれるように私は思っています。だから時間の問題だろうと考えています。

もちろん日本では、医療関係や飲食関係などの業界に、しわ寄せがいっているのが現状です。これは社会の問題としてできるだけ早く解決していく問題だと思います。今は社会全体で余裕が減っている、強度が下がっているような環境だと感じます。ただ、ビジネスの視点で人々の生活を見ると、様子が変わってきます。

例えば、ビジネスパーソンの中には、夕方4時から4時半くらいに仕事を終えて、電車に乗って家に帰って夜8時ころにはご飯を食べ終えているという人もいるでしょう。生活がすべて前倒し、朝方になったようなイメージです。実はここに、ビジネスのヒントというかビジネスチャンスがあるのです。

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