
手腕、手練、上手、敏腕など、 賞賛の意を込めた手や腕に関する成句は多い。手は体の重要な一部であり、手元の主張は時に言葉以上の説得力をもつ。ゆえに自らのキャラクターを表すメッセージとしての意思ある時計選びが重要となるのだ。
知的な大人を演出する、シルバーグレーダイヤルの時計
SSケースとシルバーグレーのダイヤルとの組み合わせは、より清冷なイメージが高まり、知的な雰囲気を醸し出す。スポーティなタイプも多く、精悍さも感じさせる。
■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
自社製クロノグラフは、コラムホイール+垂直クラッチの高級かつモダンな設計。フライバック機構も備わる。サファイアクリスタルは、複雑にカーブして縦に傾けると楕円が連なって見える。自動巻き。径41mm。18KWG+18KPGケース。アリゲーターストラップ。445万円(オーデマ ピゲ ジャパン)

凛とした空気に抗うように、ウールのニットやジャケット、そしてコートが身体を暖かく包み込む。その手もとでは、冬の空気のようにクールなグレーの時計が、ウール素材とのコントラストを成す。グレーダイヤルは、ミッドセンチュリーによく見られたせいだろうか、少しレトロな雰囲気を醸し出してくれ、オーセンティックなファッションとの相性がいい。そして何より、身に着ける人を何事にも慌てない冷静沈着かつ知的な印象へと導いてくれる。
この「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」は、繊細な加工を施したプレートをラッカーで仕上げ、メタリックなグレーのダイヤルを作り上げた。搭載するムーブメントは自社製だ。そのインダイヤルも同色で整え、同心円を重ねた装飾仕上げをし、さらにPGのリングをはめ込むことで、メインダイヤルと明確に切り分けている。
針と植字インデックスも、PG製。さらにWGのベゼルとケースバックとに挟まれた八角形のミドルケースもPGで設え、バイカラーに仕立てられている。レイヤー構造の外装により、グレーのクールさと、PGによる温和な印象とが1つの時計に調和した、まさに冬の装いにピッタリな1本だといえよう。グレーのストラップを留めるラグは、大きくて力強く、男の逞しさも演出できる。
静謐なシルバー×ブルーのメカニカルハイビート
■GRAND SEIKO(グランドセイコー)ヘリテージコレクション SBGH277
放射状の装飾で彩られたダイヤルに浮き立つブルーの秒針は、毎秒10振動のハイビートならではの滑らかな運針を奏でる。ケースサイドと融和するラグを強く傾斜させたフォルムは、1967年に『セイコースタイル』を確立した44GSからの継承である。ケースは、丁寧に磨き上げられ歪みがない。光の具合でケースやインデックスが陰影を織り成して、シルバーのワントーンを表情豊かにする。自動巻き。径40mm。SSケース&ブレスレット。64万円(セイコーウオッチお客様相談室)
インデックスが浮き立つ新ルミノール
■PANERAI(パネライ)ルミノール マリーナ-42mm PAM00977
蓄光塗料を施したディスクとインデックスをくりぬいたディスクを重ねた、パネライ独自のサンドイッチダイヤルとは真逆。植字インデックスのシルバーダイヤルが、なんとも新鮮だ。ブレスレットの各リンクは、特徴的なリュウズプロテクターをモチーフとし、アイコニックに装った。自動巻き。径42mm。SSケース&ブレスレット。92万円(オフィチーネ パネライ)

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