2021/2/8

――キャリア論の授業でも、「組織内キャリア」の時代ではもうなくなってきているという話をよくしています。主体的なキャリアを築くために、大学生の間にやっておくべきことは何かありますか。

小日山 英語、論理的思考、知識インプットです。特に英語は必須です。日本の経済は縮小傾向にあります。どう考えても、日本国内のみをターゲットにしてビジネスを行っていくには限界があります。世界的な言語である英語を習得して、グローバルシーンで働ける基礎力を学生時代にできるだけ伸ばしておいてください。

英語を習得することのメリットは、もう一つあります。それは、英語という言語の特性に関連するのですが、主語と述語の関係性を明確にする思考整理力がつくことです。言い換えると論理的思考ですね。ビジネスシーンでは自分が言いたいことを論理的に説明する責任が求められます。物事の本質を理解して、関係性を読み解き、相手にわかりやすく的確に伝える力を養っておくのです。

新入社員に「イノベーション・オブ・ライフ」を薦める理由

三井情報の小日山社長(写真左)と入社5年目の葛原さん

小日山 映画を見たり、本を読んだり、人と話したりすることから学ぶことも重要です。もし自分のやりたいことがわからなくても、具体的な事例を聞くと触発されるということはありますよね。

私が社員に薦めている本は、ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授が書かれた「イノベーション・オブ・ライフ」です。これからの人生を考えるヒントになると思います。夢や目標はあるといいです。夢や目標を持つことで、どう達成するか、自分の人生について深く考えるようになります。人生をよりよくするという視点を持って学生生活を過ごしてみてください。

葛原 私がお薦めしたいのは、多種多様なアルバイトと専門性を磨くことの2つです。コロナ禍で何かと制限はあると思うのですが、アルバイト経験を通じて得られるスキルは、働いてから必ず役に立ちます。私自身も焼鳥屋、カフェ、化粧品販売などの接客業の経験を通して、気遣いの仕方などコミュニケーション能力を磨くことができました。大学や学業以外のコミュニティーを経験することで、社会に出てから求められる臨機応変な対応力を身につけることができるのではないかと思います。

専門性について思うところとしては、私は理系出身なのですが、学生時代の実験の経験は貴重な財産です。大学を出てから初めて、専門機材のそろった実験室で、時間を気にせずに実験に没頭できたことが、どれほど恵まれていたのかを痛感しました。

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社長も若手社員も、学び続ける