コロナ禍で「求人企業の採用意欲ダウン」が55%

コロナ禍が転職市場に与えた影響に関しては、「悪い影響を少し受けた」が40%、「悪い影響を大きく受けた」が41.3%とマイナスの影響を受けたとの回答が8割強に達した。背景には、企業側の求人需要の減少がある。「求人件数がどう変化したか」について、「少し減った」(30.7%)と「大幅に減った」(26.7%)の合計で約57%に達した。「変わらない」は9.3%、「少し増えた」と「大幅に増えた」で10.6%だった。

「求人企業の採用意欲がどう変化したか」との質問では、「少し落ちた」(34.7%)と「大幅に落ちた」(20%)をあわせて約55%に達した。「落ちたが元に戻った」が24%、「変わらない」は9.3%、「少し高まった」が12%、「大幅に高まった」を選んだ人はいなかった。「コロナによる業績不振で採用計画を縮小せざるを得ない」(プロフェッショナルネットワーク)や「先行き不透明感から欠員での最低限の補充か、よほど良い人材でないと採用に至らないケースが増えた」(ダンネット)、「業積の悪化で採用を慎重に検討している」「あえて中途求人を増やす時期ではないと考えている」など採用意欲の低下を実感したエージェントが多い半面、「コロナで増えた転職希望者をしっかり採用しようとした」という声も出ていた。

実際、ビジネスパーソンの転職意欲については「落ちた」が優勢だった企業側の採用意欲と異なり、「少し高まった」(30.7%)と「大幅に高まった」(4%)で約35%、「少し落ちた」(28.0%)と「大幅に落ちた」(8%)で36%と二極化したようだ。「高まった」と回答したエージェントのうち、約半数が理由として、現在の会社や業界への将来不安をあげた。残りの半数では「在宅勤務することで転職サイトを見る時間が増え、自身の望む働き方を考えるようになった」(JACリクルートメント)など、在宅勤務の拡大に代表される働き方の変化が転職へのスタンスに影響した、との見方が大半を占めた。一方、「転職意欲が落ちた」と回答した人からは「コロナ後に景気回復するまで様子を見たいと考える人が増えた」(パソナ)、「条件の良い転職先がない」「今が買い手市場だと感じ、勝ち目がない市場に出てこない」との見方があった。

(日経転職版・編集部 宮下奈緒子)

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