「ジョージア」 ガンダムで缶コーヒーの復権を狙う

「ジョージア」は2度目のガンダムコラボで市場拡大を狙う
日経クロストレンド

日本コカ・コーラのコーヒーブランド「ジョージア」は、2020年3月に発売したラテ専門ペットボトル入りコーヒー「ラテニスタ」をはじめ、ペットボトル入り商品が好調。その一方で、ショート缶やボトル缶が苦境に立たされている。21年は2度目となる「機動戦士ガンダム」とのコラボキャンペーンを核に、ショート缶やボトル缶の回復を狙う。

ラテニスタで伸長した小型ペットボトル

日本コカ・コーラは1月7日、コーヒー「ジョージア」の上半期ブランド戦略説明会を開催した。20年は年初の東京オリンピック・パラリンピック向けキャンペーンを皮切りに、伸長するペットボトル市場への小型ペット容器商品の新規投入、業界で初めて缶のタブを活用した「ジョージア運だめし」キャンペーンなどの施策を積極的に展開。その効果もあり、コロナ禍においても販売金額シェアは前年同期比で0.6%アップした(インテージSRI 20年1~11月累計、パッケージ製品)。

とりわけ好調だったのが、20年3月に発売したラテ専門ペットボトル入りコーヒー「ラテニスタ」(280ミリリットル)だった。これまでの440~500ミリリットルと比べ少量のため、試しに手に取りやすいことや携帯のしやすさ、ターゲット層の女性を意識したCMやミルク感を特徴とする味が好意的に受け入れられた。

「これまでペットボトル入りコーヒーをけん引してきた500ミリリットルペットボトル入りコーヒーの市場が飽和状態になり、またコロナ禍の影響で成長も鈍化している。そんな中、新たな機会として、小型ペットでより本格的なカフェのような味わいを提案できるように注力した。結果、新規獲得につながりブランドに貢献した」(日本コカ・コーラ)

一方で、同じく小型ペットボトルで新発売した猿田彦珈琲監修のブラック無糖コーヒー「ジョージア ロースタリー ブラック」については想定ほどの結果にならず、「改善の余地がある。しかし、新たな試みが実行できたのは意義があった」と、述べるにとどまった。

CMに小松菜奈を起用した「ラテニスタ」の人気がブランドに貢献した

2度目のガンダムコラボで苦境脱却を狙う

新商品の投入によってペットボトルの人気が伸長する一方、苦境に立たされているのが缶コーヒーだ。ショート缶(250グラム以下)、ボトル缶ともに「構成比としては減少を続けている」(日本コカ・コーラ)。そんな中、20年9月に実施したジョージア運だめし キャンペーンは、想定を超える約350万人が参加し、ショート缶の購入頻度の向上に寄与した。

「ジョージア運だめし」キャンペーンには約350万人が参加した

このキャンペーンは、缶に付いている赤いタブを上げてその裏に「当たり」の文字があると、「ジョージア」ショート缶1本と交換できるチケットが獲得できるというもの。商品への交換はコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON」を利用する。タブを使ったインスタントウィン(その場で当落判定が出る)プロモーションは業界初の取り組みであり、2000万ダウンロードを突破したCoke ONとの相乗効果もあって盛り上がりを見せた。

さらに缶コーヒー復権の機運を高めるのは、20年12月から始まった「機動戦士ガンダム」とのコラボキャンペーンだ。20年12月19日に横浜・山下ふ頭にバンダイナムコグループの施設「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」がオープンしたことを受け、19年の「ジョージア エメラルドマウンテン」とのコラボ以来、2度目のキャンペーンを実施している。

8年目を迎えたジョージアのブランドコンセプト「世界は誰かの仕事でできている」の21年春のメッセージを「つくりたかったのはワクワクする未来」とし、店頭からデジタルまで幅広いチャネルでキャンペーンを展開。CMでは、GUNDAM FACTORY YOKOHAMAに設置されている実物大の動くガンダムを作り上げたプロジェクトチームの奮闘ぶりを再現する。

ガンダムコラボデザイン缶「ジョージア エメラルドマウンテン」左から第1話、第16話、第19話、第6話(上段170グラム缶、下段185グラム缶)(C)創通・サンライズ

12月28日からのキャンペーン第1弾は、コラボデザインを含むショート缶を対象に「モビルスーツの目が光る!バッテリー内蔵スマホケース」や「オリジナルチケットホルダー付きGUNDAM FACTORY YOKOHAMA 招待ペアチケット」などが合計1万4100人に当たる抽選を実施。

21年1月11日からは15万1000人に当たる「Coke ON」と連動したキャンペーンや、1300人に当たる店頭キャンペーンもスタートした。こちらはジョージア全製品が対象で、ボトル缶のトライアルにもつなげる狙いだ。

「長年ペットボトルの利便性にシフトしているため、ショート缶は苦戦しているが、ペットボトルコーヒーに注力したことでかえって缶にしかない強みが見えた面もある。独自の価値をしっかりと見直していけば差異化できる」と、ショート缶、ボトル缶ともに成長プランを引き続き探る。

(ライター 北川聖恵)

[日経クロストレンド 2021年1月15日の記事を再構成]

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