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「やりたいことだけをやる」という言葉通り、2人はコロナ禍でも独創的な取り組みに積極的だった。

(写真:中村嘉昭)

後藤 予定していた全国ツアーが全公演中止になって。残念だったけど、実は緊急事態宣言が出たあと、かなり忙しくなったんです。余った時間を、ライブを楽しみにしてくれていたお客さんのために使えればと、0円で何でもやりますっていうツイッターの企画(『スーパーセール 0円ジャルジャル』)を始めて。

福徳 外出自粛期間に忙しくしていたのは、みんなを元気付けたい正義感というよりは、根本的にネタをやるのが好きだから。劇場でできなくなったから、違う場所でやろうっていう発想です。

後藤 活動していないと気持ち悪いというか。

福徳 そうそう、動いていないと気が済まない。

一般の人とZoomコント

後藤 やってよかったなと思うのはZoomのコント。オンラインサロン『ジャルジャルに興味ある奴』の会員さんたちに、僕たちのネタ動画に、Zoomでエキストラとして出演してもらったんです。ネタの幅が広がったし、奥行きも出て。舞台上でもできない、Zoomならではの究極の形ができました。

福徳 めちゃくちゃ波長が合ったんですよ。普通の一般の人たちだから、テンポ感や存在感が普段の僕らと一緒。すごくやりやすくて、リアリティーを追求するには1番いい。今後も何か一緒にやりたいですね。

後藤 6月に、貸し切りの老舗旅館からコントを生配信したのも楽しかった。80分ノーカット。あれはなかなかアドレナリンが出る現場でした(笑)。

福徳 ああいった形は僕らに向いてると思います。きっちり決めたことをやるよりも、緊張感も含めてぶっつけ本番でやるほうが好きですね。

後藤 9月には「東京ポートシティ竹芝」からやりましたし、今後もこの生配信コントシリーズは続けていきたいです。

20年は個人の活動も充実していた。後藤は主演した映画『ロックンロール・ストリップ』が全国公開され、福徳は小説デビュー作『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館)を上梓。『キングオブコント』決勝の直前に福徳の結婚もあった。

福徳 結婚の話は照れくさいというのもありますけど、基本的にみんな僕のことなんか興味ないやろと思ってるから、あんまり前のめりになれないです(笑)。

後藤 お笑いコンビだったら、僕が聞き手になって深掘りしないとダメなんですけど、質問が全然出てこない(笑)。映画は主演させてもらう機会なんて、今後もないやろなと思ってやらせてもらったんですけど、ムズいですね。コントみたいにキャラになりきるのとはまた違うんです。ナチュラルな動きがいかに大変かというのを改めて学びました。

福徳 僕の小説は、最初に話をもらったのが4年前。5人の芸人が書いたショートストーリーを集めて1冊にしようという話で。「この日までに書いてください」って言われたのに、蓋を開けたら僕しか書いていなかったっていう(笑)。それを2年ぐらいかけて改稿していたときに、出版のお話をいただいて、そこから編集を交えてさらに2年ぐらい改稿して、ようやく発売までたどり着いた感じです。

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