目標は渋沢栄一 企業の価値は利益追求だけじゃないサラヤ 更家悠介社長(下)

サラヤ社長 更家悠介氏
サラヤ社長 更家悠介氏

「衛生・環境・健康」を企業理念に掲げるサラヤ(大阪市)の更家悠介社長。SDGs(持続可能な開発目標)と歩調を合わせるように、地球環境問題への対応など自社を変化させることに取り組んできた。事業環境が大きく変化する中、更家社長は「専門性の高いチームをまとめる能力が必要」と次世代のリーダー像を描き、そのための支援策も模索する。

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――これからのリーダーに求められることは何ですか。

「IT(情報技術)やデザイン、マーケティングなど様々な分野で専門性が高まっています。社内だけでなく社外も含めていろいろな専門性を持った人たちが集まってチームで取り組まなければいけないことが増えてきました。その分、リーダーにはそういった専門的な知識を持った人たちが集うチームをまとめる力が必要だと感じます」

「リーダーには、それぞれの仕事の中身を深いところまですべて理解するよりも、チーム内のコミュニケーションを含めて予算やスケジュールなどをマネジメントする能力が必要になってくるのではないでしょうか。リーダーが育つには、まずは数人規模のチームくらいでトレーニングを始めて、全体のマネジメントができるようになれば会社を引っ張るリーダーになれると思います」

――部下や若手の育成方法で心がけていることはありますか。

「たくさん体験を積んでもらうことが一番大切だと思います。社内ベンチャーなどの形で社員が子会社をつくるのを後押ししています。先日は総務の仕事をしていた40代の女性社員が会社をつくりました。福祉関係の担当で障害がある人を応援するライフワークの会社をつくりたいとのことでした。本人が不慣れな会計やマーケティングについては、精通した社員に会社としての器ができるまで応援してもらう態勢をつくります。また会社をつくるにあたって、会計上の知識やコンプライアンスの徹底などが求められます。そういった点についてはきちんとチェックをしたり支援をしたりすることを考えています」

「今、上海の販売会社で社長をしているのは『中国に一回行ってみたい』と積極的に手を挙げた社員です。中国語をずっと自分で勉強し続けて、家族も巻き込みながら身につけた点が立派だと感じたからです。意欲的に挑戦する社員の背中を押すことを心がけています」

「海外での事業については、できるだけ現地化するように取り組んできました。ゼネラルマネジャーも現地で採用し、それを管理するマネジメントのあり方を模索しています。今、会計は世界のどこにいてもできます。会計の正確性や管理運営するスピード、コンプライアンスの徹底が大切です。気がつかないうちに現地の法令に違反するようなことがあってはいけません」

「先日、幹部研修をした際に、外部の講師の方から『変革の意識が高い会社で珍しい』と言っていただきました。私がいつも『変革、変革』と言っているので、社員全体に意識が浸透しているのだと思います」

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「おまえも貧しい家庭か」米で多様性学ぶ