広がる非対面営業 「インサイドセールス」構築の勘所リブロ汐留シオサイト店

メインの平台の最前列に展示する(リブロ汐留シオサイト店)
メインの平台の最前列に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。年末年始はビジネス街のこの店でも『鬼滅の刃』『呪術廻戦』とコミックのヒットが続き、全体の売り上げを支えたが、ビジネス書では突出した売れ筋が現れない状況が続いている。そんな中、書店員が注目するのは、訪問に頼らず売り上げを伸ばす営業手法とその組織づくりを、実際に現場を指揮するリーダーが詳述した営業強化法の本だった。

2つの会社で部門を立ち上げ

その本は茂野明彦『インサイドセールス』(翔泳社)。表題のインサイドセールスとは、電話やメールによる非対面の内勤型営業のことで、コロナ下の今、大きく拡大の気配を見せる。著者の茂野氏は2012年にセールスフォース・ドットコムに入社、インサイドセールスの企画トレーニング部門を立ち上げた人物だ。その後も16年に人材サービスのビズリーチに転職、そこでもインサイドセールス部門を立ち上げ、現在は同社のHRMOS事業部インサイドセールス部部長を務める。

茂野氏自身、2012年を振り返って「当時はインサイドセールスという言葉すら聞いたこともなく」と述懐する。ところが、世界に目を転じてみると、19年末の調査で欧州で3割超、米国で5割超の企業が導入していると本書は伝える。コロナ下いかんに関わらず、BtoBマーケティングの有力な手法として定着しつつあるのがこの営業手法なのだ。

全体は8章構成。そもそもインサイドセールスとはなにかというところから始まり、この手法の可能性や具体的な立ち上げ方、どんな人材を採用すべきか、重要業績指標(KPI)の設定の仕方、現場で駆使するテクニックやチームマネジメント、そしてこれからどのような変化が起きるかまでを整理して提示する。

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