まもなく第1回の「大学入学共通テスト」が行われ、大学入試シーズンが始まる。今年は新型コロナウイルス禍もあり、いつもにもまして緊張感および不透明感が漂う。大学入試改革をめぐる大混乱が直撃した学年の受験ということもあり、進路選択にいままでとは違う傾向が現れる可能性もある。
全国的には東京大学合格者数ランキングが注目されるが、それでは東京の学校ばかりが上位に来るのは当たり前だ。しかしすごい進学校は全国にある。西の最難関国立総合大学である京都大学と全国に50ある国公立大医学部の合格者数のランキングも見てみると、見事に顔ぶれが変わって面白い。
そこで大学通信の協力を得て作成したランキングを再掲する。単年のランキングでは浪人生の数などによって変動が大きいので、2016年から2020年の直近5年間の平均値を使用した。さらに参考として、東大+京大+国公立大医学部の合計合格者による総合ランキングも作成した。
毎年、3月中旬発行の週刊誌には国公立大学の高校別合格者数ランキングが大々的に掲載される。それを見る際に下記の各表を参照すると、どの高校が例年に比べて躍進したのかが一目瞭然になるはずだ。また、中学受験や高校受験の志望校選びで大学進学実績を見るのであれば、このように数年単位の平均値で比較してほしい。単年の実績では年ごとの振れ幅が大きいからだ。
東大合格ランキング 上位のほとんどが私立男子校
上位をほとんど私立男子校が占めている。1960年代までは都立高校が寡占していたが、1967年に都立高校が学校群制度を導入したために学力上位層が私立中高一貫校に流出した。また、東大入学者の女性比率はいまだに2割を超えていない。これにはさまざまな要因が考えられるが、結果として男子校が上位に固まっている。