消費地ベトナム・ミャンマー・インド その高まる期待(5)新興国

交通渋滞もあるが、ベトナムなどでは活気ある成長が続いている
交通渋滞もあるが、ベトナムなどでは活気ある成長が続いている

よく目にする経済ニュースについての疑問に日経の記者が基礎からわかりやすく答える書籍シリーズ「Q&A 日本経済のニュースがわかる!」(日本経済新聞出版)。最新の2021年版からキャリアづくりに参考にしたい気になるテーマを厳選して紹介します。5回目は、世界に目を広げ、新興国について解説します。

Q これから注目すべきアジアの新興国はどこですか?
 
A 東南アジアのカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムのCLMVや南アジアのインドが注目されています。

中国から東南アジアに移る拠点

成長著しい東南アジアの中でも特に今後期待されているのがカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムです。この4カ国は頭文字を取り「CLMV」といわれています。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により経済成長は当初見込みよりも低下しています。ただ、製造業ではタイで人件費が高まり一部生産工程を周辺国に移す「タイプラスワン」や、米中貿易摩擦のあおりを受けて企業が中国から東南アジアへ拠点を移す動きなどが依然として期待されます。東南アジア諸国連合(ASEAN)全体では域内総人口が6億人を超え、一大消費地としても成長が見込まれます。

特にベトナムには多くの日本企業も進出しています。日本貿易振興機構(JETRO)によると進出企業は1900社を超え、キヤノンやパナソニックといった大手企業も事業を展開しています。ベトナムはいわゆる裾野産業が育っていないという観点から中小企業の誘致にも取り組み、工業団地やレンタル工場も整備しました。韓国のサムスン電子もベトナムに一大製造拠点を据えています。人口が9000万人以上おり、イオンやファミリーマートなどが消費地として期待して進出しています。カンボジアとラオス、ミャンマーは現時点では、国連が指定する「後発開発途上国(LDC)」です。

各国が貧困の削減などに取り組む一方、2015年に発足したASEAN経済共同体や陸路で一大経済圏をつくる「東西経済回廊」構想などをテコに、地域全体での経済連携を通じた発展が期待されています。CLMVではインフラ整備からエネルギー、各産業の供給網(サプライチェーン)の整備まで多様な分野でビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

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製造業などの誘致に取り組むインド
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