何をつかめって? 日本人が誤解しやすいup for grabsデイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(81)grab

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「つかむ」を意味する grab を使った表現をご紹介したいと思います。

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ニューヨーク支社へ期限付きで転勤となったユウカ。実は住む場所が正式に決まらないまま出発日を迎え、とりあえず会社の人たちとルームシェアをすることに。ニューヨーク支社で気にかけてくれている同僚のエマがユウカに様子を聞きに来てくれました。部屋を探していると話すユウカにエマがアドバイスするのですが、会話が思わぬ方向にすれ違ってしまいました。

Emma: Is it alright if I sit here, Yuka?
Yuka: Oh, Emma. Of course, go ahead.
Emma: How are you? Are you used to New York yet?
Yuka: No, not yet. It's a lot to adjust to.
Emma: Have you decided on a place to live yet?
Yuka: No, not yet. I'm staying in a room share right now.
Emma: If you don't mind living somewhere that's a little far from the city, then there are a lot of places up for grabs.
Yuka: Grab? Earthquake? What should I grab onto?
Emma: We rarely have earthquakes here. I mean you should also look somewhere besides the middle of the city.
Yuka: You're right.
Emma: I'll help you look!
Yuka: Thank you!

日本語に置き換えると次のようになります。

エマ:ユウカ、ここ座ってもいい?
ユウカ:ああ、エマ、ええ、どうぞ。
エマ:どう? ニューヨークには慣れた?
ユウカ:まだ、なかなか慣れなくて。
エマ:住むところは決まった?
Yuka:まだ決まらなくてルームシェアしてるの。
エマ:中心地から離れたところなら、見つかりやすいわよ。
ユウカ:つかむ? 地震? 何につかまればいいかしら?
エマ:地震はめったにないわよ。都心部以外も探したほうがいいわ。
ユウカ:そうね。
エマ:探すの手伝うわ!
ユウカ:そうね。

上記の会話は、部屋探しがうまくいっていないというユウカの状況を聞いて、エマがニューヨークの住宅事情をアドバイスしたのですが、なぜかユウカは急に地震がきたのかと勘違いしてしまいます。エマのgrabを使った表現を勘違いしてしまったようです。