寝酒や“夜筋トレ”は避ける

さて、たんぱく質の効果的な摂取の仕方が分かったところで、食事以外の生活面で注意したいことや、トレーニングのコツなどを藤田さんに伺ってみよう。

「お酒が好きな方へのアドバイスとしては、寝酒は極力控えてください、ということ。寝酒は睡眠の質を低下させ、夜中に目が覚めて逆に睡眠不足になったりします。睡眠不足になるとストレスホルモンが分泌され、筋肉を分解する働きが強まります」(藤田さん)

筋トレをはじめとする運動は睡眠の質を高めると言われているが、21時以降に運動すると交感神経が刺激され、なかなか寝付けなくなったりと、逆効果に。「夜に筋トレする場合は、20時くらいまでに終わらせるといいでしょう」と藤田さん。

筆者は、前回の取材以降、自宅での朝筋トレがすっかり定着したが、このところの新型コロナの影響で、会社帰りにジムに行くことが難しくなっている人も多いのではないだろうか。

「ジムに行くのはハードルが高いのであれば、まずは日常生活の中で運動習慣を身につけるようにしましょう。エスカレーターではなく階段を使う、バス停1つ分歩くなど、ちょっと意識を変えるだけでも運動量は増えます」(藤田さん)

初日は「着替えるだけ」でもOK!

まずはトレーニングウエアに着替えるだけでOK。着替えると「せっかくだし筋トレしようかな」と思えるようになってくる(c)Roman Samborskyi-123RF

これから筋トレをスタートしようと思っている方は、自分のペースで徐々に運動の習慣を身につけていけばいい、と藤田さんは言う。「いきなりダンベルを買うのではなく、自分の体重を重りとして使う、スクワット、腕立て伏せなどの自重トレーニングや、プランクなど、器具を使わず、自宅でできることから始めてみましょう」(藤田さん)

「最初から完璧なトレーニングプランを立てて、それを実行しようと思うと面倒ですよね。それより、初日はトレーニングウエアに着替えるだけでもいいんです。次の日は、まず着替えた後に、『せっかく着替えたんだし、筋トレしようかな?』と思えるかもしれない。そうやって無理なく体を動かしていきましょう」(藤田さん)

挫折しやすい自宅筋トレも、確かに着替えるだけでもいいと思えば気が楽だ。飲んだ翌朝にしんどいときでも、「まず着替えだけ」と思えば重い腰が上がるし、それから「せっかく着替えたし筋トレするか!」となったらもうけものだ。

コロナ前より自宅にいる時間が長くなった今、「朝筋トレ+たんぱく質摂取」で、筋力を増やし、多少飲み過ぎても太りにくいカラダを目指したいものである。

(図版制作:増田真一)

[日経Gooday2020年12月4日付記事を再構成]

藤田聡さん
立命館大学スポーツ健康科学部 教授。1970年生まれ。1993年、ノースカロライナ州ファイファー大学スポーツ医学・マネジメント学部卒業。1996年、フロリダ州立大学大学院 運動科学部 運動生理学専攻 修士課程修了。2002年、南カリフォルニア大学大学院 キネシオロジー学部 運動生理学専攻 博士課程修了。2011年より現職。運動生理学を専門とし、老化と共に起こる筋量と筋機能の低下(サルコペニア)に焦点をあてた骨格筋タンパク質代謝についての研究を行っている。監修本に『筋肉がつく! やせる! タンパク質データBOOK』『図解眠れなくなるほど面白い たんぱく質の話』、共著に『スポーツサイエンス入門』など。

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