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サワー「東京湾」。梅干しとガリが入っていて、分かったような分からないような味

「立ち飲み居酒屋 ドラム缶」は2016年、東京・茅場町に1号店を出店したのが皮切りで、現在40店以上を展開する。

ユニークなのは、フランチャイズ方式を採用せず、のれん分け方式をとっていること。加盟金99万8000円を入金するだけで、「立ち飲み居酒屋 ドラム缶」の商標を利用でき、近年は加盟金0円プランも導入している。本部へは、毎月固定ののれん代2万9800円を納めるのみだ。統一メニューもなく、メニュー開発は各店独自で可能。仕入れもそれぞれで行うことができる。かなり自由な、言ってみれば“ゆるい”チェーンと言える。それが同じブランドながら、「謎」の独自性を生んでいる。

「巨大マグロカツ」と「白桃おろしサワー」

例えば、東京のある店では、はやしハムという埼玉・川越の老舗の素材を使った「ハードスモーク ベーコンステーキ」(ハーフ500円/フル800円)を提供したりしていた。企業家精神あふれる企業や個人にとって、参入しやすいビジネスモデルになっている。それが面白い店づくりにつながっているのだろう。

若干、マニアックな話をすると、「立ち飲み居酒屋 ドラム缶」のビジネス上のうまみは、初期投資がとても小さくて済むところだ。

通常、飲食店を開業しようとすると、物件取得費以外に厨房や客席などを作らなければならず、厨房や客席を前の所有者から譲り受けるいわゆる「居抜き」でも坪当たり数十万はかかるが、「ドラム缶」は、新たに客席を作らずに済む。極論すると、厨房設備さえ作ることができれば、客席は作らずに済む。内装もそれほどお金をかけなくてもよい。ドラム缶自体は、ネット販売だと1缶2000円前後。10缶そろえても2万円でしかない。とても参入障壁が低いのだ。

「謎」なルール

ただ、客として「ドラム缶酒場」を楽しめる最大のポイントは、店ごとに全然違う料理やドリンクを飲み歩くことだ。大枠では「安くて、気軽」というコンセプトはあるものの、店ごとの裁量範囲が大きいため、違いが大きい。料理はもちろん、ドリンクもそうだ。多くは、都内に立地しているので、飲み歩くのはさほど難しくない。ブログなどで記録しておくことも良いだろう。

ただし一つだけ、ご注意。「ゆるい」チェーンのためか、「結構お客入っている」と思った店が突然、閉店していることがたまにある。「ドラム缶」巡礼をするなら、事前に電話で「存在確認」をすることをお勧めする。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)


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