助成制度の拡充と並行して21年夏ごろまでに、学会が体外受精や顕微授精の治療ガイドラインを検討し、完成させます。それをもとに中央社会保険医療協議会(中医協、保険適用を判断する厚労相の諮問機関)で議論し、22年の年明けに保険適用を決め、4月からスタートするスケジュールが組まれています。

キャリアプランともかかわる「妊活」

そもそも「不妊」とは、妊娠を希望して夫婦生活を営んでいるにもかかわらず、自然に妊娠する可能性がほとんどない状態をいうようです。不妊の原因には女性側、男性側それぞれに様々な因子があり、効果的な治療のためにも専門の医療機関で調べてもらう必要があります。(全国の不妊専門相談センター一覧 https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000689250.pdf

世界保健機関(WHO)では「1年以上の不妊期間を持つもの」を不妊症と定義しており、さらに米国の生殖医学会は女性の年齢が35歳以上の場合、不妊期間が6か月を経過したら検査を勧めています。30代後半から年々妊娠し難くなるのが現実のようです。

30代はまだまだ若いですが、生物として妊娠に適した時期はピークを過ぎているといえます。仕事が乗っている世代でもあり、子どもを産むタイミングを迷うかもしれませんが、いざ「妊活」と考えたときにすぐ妊娠できるとは限りません。夫婦それぞれのキャリアプランとも関わってきますから、妊活をいつ始めるか、早めに夫婦で話し合っておく必要がありそうです。

男性の育児休業取得も促進

妊活や不妊治療がうまくいって子どもを授かったら、次は「育てる」というハードルが待っています。平成以前に比べると、母親が仕事を続けられ、父親も子育てに参加できる環境が整備されつつありますが、男性の育休取得率が19年度は7.48%と、現実は厳しい面もあります。

さらなる制度の後押しがないと、子どもを持つこと自体を諦めたり、2人以上の子どもを持つことをためらったりするケースが後を絶たず、少子化に歯止めがかかりません。

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待機児童解消、財源は児童手当の所得制限